文化遺産の旅
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富山県・富山市



今回の訪問地は、富山県。日本海と飛騨山脈に育まれた、富山市の文化を紹介する。

先ず当時の時代を代表する三つの旧家を訪ねます。旧森家住宅は、明治時代の建築。かつては廻船問屋として栄えた家だ。驚いたことに、建物の中を土間が通っている。正面から貫く「道」は、裏手の船着き場に通じていた。いかにも廻船問屋らしい造りに、声の旅人・寺田農も感心した。富山は民家が面白い。

次いで、二ヶ所の民家を訪ねた。まずは、田園の内山邸。室町時代から続く豪農の館だ。現在の家は、江戸時代の建築。広大な空間にも、庄屋ならではの工夫が施されていた。

次は、薬種商の金岡邸。いわゆる富山の薬売り。江戸時代に端を発する商家だ。薬箪笥も当時のまま。三軒の家々には、各々の歴史が刻まれていた。

町に出れば、仰ぎ見る富山城(通称)が美しい。戦後の再建だが、文化財に指定されている。その理由は、意外な事情であった。復興を願った人々の思いに、声の旅人も声援を送る。

旅の後半は、市内を出て神通川沿いから出発。神通峡は、奇岩と絶景の峡谷だ。文化財に指定された笹津橋を渡って、八尾へと入る。待っていたのは、おわら風の盆を踊る人々。富山の地は、人々の郷土愛に溢れている。守り伝えられた文化の厚みが郷愁を誘う音色となって鳴り響いていた。