世界の名画 ~美の迷宮への旅~
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フランス・謎の画家集団
フォンテーヌブロー派の正体
今日の一枚は16世紀フランスで活躍した、フォンテーヌブロー派の「ガブリエル・デストレとその妹」。
入浴する二人の貴婦人、マニエリスムの特徴である引き伸ばされた人体の表現によって描かれたその美しい姿には、どこか冷たい官能性が宿ります。
そして、なんと言っても目を引かれるのが、妹が姉の乳首をつまむ奇妙な仕草。そこに隠されたメッセージとは?
王家が狩猟用の別荘地としていた地に花開いたフォンテーヌブローの文化。そこには、イタリア・ルネサンスに心酔したフランス王、フランソワ1世の存在がありました。
フランソワ1世とルネサンスの巨匠たちとの交流。その中で、誰よりも絆を深め、父とまで慕ったレオナルド・ダ・ヴィンチの存在。
フランソワ1世はダヴィンチに最後の安住の地を与えたのでした。
ダヴィンチがフォンテーヌブロー派に与えた影響とは?
そして、ダヴィンチ亡き後、一大文化を形成していったフォンテーヌブロー派は、ロココ文化をはじめとした、のちに花開くフランス芸術の礎となったのです。
フランス最大級の宮殿。世界遺産フォンテーヌブロー城。そこで生まれ育まれたフォンテーヌブロー派の芸術。それは女性たちが主役となっていました。貴婦人たちが多く描かれ、文化を華やかに彩っていきます。
その中で生まれた今日の一枚の主役、ガブリエル・デストレは、実権まで握った女性で、美しさばかりでなく、その知的才能や政治的手腕も類まれなものを持ち、時の王アンリ4世にも深く愛されました。王とガブリエルの愛の物語。
しかし、二人を待っていたのは思いもよらない悲劇的な結末。
フランス最初の文化となったフォンテーヌブロー派。謎に包まれた名もなき芸術家集団の正体に迫ります。