世界の名画 ~美の迷宮への旅~

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ストーリー

神の手を持った近代彫刻の父
ロダン「地獄の門」

番組名

今回の作品は、ルネサンスの巨匠ミケランジェロと並び称される彫刻家ロダンの大作、 「地獄の門」です。
フランス国家から注文されたこの作品を、ロダンはおよそ40年もの長きにわたって制作し続けました。 まさに、彫刻家ロダンの真髄を見ることのできる大作です。
ドラクロワ、アングルら多くの芸術家がこころみた、ダンテの「神曲」を主題とした芸術作品。ロダンもまた、この「神曲」をもとに、地獄の門の制作にあたります。
そこには、「パオロとフランチェスカ」や「ウゴリーノ伯爵と息子たち」など、神曲に登場した情景が、神の手を持つ男と言われたロダンによってあらわされています。 そしてその地獄の世界を見下ろす、考える人。ロダンは「考える」という静かな動作のなかに、みなぎる生命力を宿しました。
このロダンの魅力の一つである生命力は、作品が人間ドラマを語っているかのようです。
近代彫刻の父と言われ、名声をほしいままにしたロダン。しかし、その人生は、いくつもの挫折と苦悩に満ちていました。孤独の幼少期、受験の失敗、サロンでの落選、いわれのない濡れ衣、そして、ロダンの行く手を阻むかのように繰り返される数々のスキャンダル。波乱万丈のロダンの人生を見つめます。
地上の旅では、ロダンのアトリエやリビングを巡り、その足跡を辿ります。そして、深い友情で結ばれていたモネをはじめとする印象派の画家たちとの交友。師弟関係から愛人となり、悲劇的な結末を迎えるカミーユとの恋など、ロダンの人生を紐解いていきます。
波乱万丈の人生を送ったロダンは、その人生で絶え間なく考え続けてきました。
そして、考える人に見つめられて眠るロダン。近代彫刻の父が伝えるメッセージに迫ります。