世界の名画 ~美の殿堂への招待~
ストーリー
→ バックナンバー
新世紀パリ万博の文化遺産 プティパレ美術館
1900年フランスが最も力をいれたパリ万博の時にフランス館として建てられた白亜の宮殿プティパレ。“小さな館”という意味の美術館。当時のままの姿で迎え入れてくれます。
15メートルの高さの天井、大きな窓から燦燦と降り注ぐ太陽、伝統的な石に新しいガラスや鉄という素材をあしらった当時流行の造り。
「自然光で作品を見せる」という画期的な美術館でした。
プティパレ美術館の作品の中核は19世世紀から20世紀初頭。芸術の都・パリが誕生した時代のものです。リアリスムの旗手・クールベ「近代絵画の父」マネ、風刺画で爆発的な人気を誇っていたドーミエ。サロンへの反骨精神さながらに独自の作品を描いていった画家たちの代表作をみることができます。一方、サロンで認められ19世紀・20世紀のパリで人気を博した画家たちの作品も見所です。
さらにモネやシスレー、ピサロなど印象派の画家たち、そしてポスト印象派のセザンヌなどの作品や、屋外での制作に使った道具など彼らの創作スタイルも紹介。屋外制作は絵画の新たな可能性を引き出しました。
絵画だけでなく彫刻でも新たな時代の到来を予感させてくれるのもプティパレの魅力のひとつ。オペラ座の彫像も手掛けたカルポーの「貝殻を聞く少年」は長らく彫刻芸術の世界を支配していたカノンを打ち破る大作です。また当時流行した意外なペットを連れた夫人の像など世紀末、新世紀の風俗にも触れられます。
美術館の随所に見られる“アールヌーボー”の調度の数々。アールヌーボーが日本の影響を受けて誕生したことが分かる展示品もあります。またパリの街中にもアールヌーボーの意匠が現役で残っています。番組では美術館を飛び出しパリの街で見つけたアールヌーボーも紹介します。20世紀の万博の雰囲気をふんだんに感じられるのが“プティパレ”です。