世界・建築遺産の旅
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世界・建築遺産の旅
悲しみを乗り越えて
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建築史学者ダン・クルックシャンが、世界各地に残る素晴らしい建築物を訪ねるシリーズ。今回は、悲劇を経験した建築遺産の数々を紹介する。ドイツ東部の古都・ドレスデンのシンボル"聖母教会"、シリア砂漠の中心に広がる古代都市・パルミラの遺跡、アメリカ西海岸の大都市・サンフランシスコの市庁舎、そしてアフガニスタンの人里離れた谷に立つミナレット(尖塔)。どの建物も悲劇的な過去を負いながら、現在もその美しい姿を残している。悲しみを乗り越えてきたこれらの建築物には、どんなドラマが存在しているのだろうか?
最初に訪れたのはドイツ東部の古都・ドレスデン。第二次世界大戦中、空襲によって大きな被害を受け、この街の歴史ある建物の多くが破壊された。しかし終戦から約50年が経ち、爆撃でがれきとなった"聖母教会"が美しい姿を取り戻した。過去の悲しみを乗り越え、和解のシンボルとなった教会は人々を魅了する。そして次に訪れたのは、シリア砂漠の真っただ中に現れるパルミラ遺跡。絶世の美女とうたわれた女王・ゼノビアの下、最盛期を迎えたパルミラはなぜ.劇の道をたどったのか? 砂漠にたたずむ美しい廃墟を見ていると、過去の栄華が目に浮かんでくるようだ。さらにアメリカ西海岸の大都市・サンフランシスコへ。地震に悩まされ続けているこの都市が、過去の大震災から何を学び、どのように備えてきたかを紹介する。最後に訪れたのは、悲劇の最中にある国・アフガニスタン。人里離れた場所にひっそりと建つ、美しい装飾を施されたジャムのミナレット(尖塔)。しかし、この神秘的なミナレットは現在も多くの危険にさらされているのだという。