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ストーリー

野生のアムールトラを探せ! シベリアの森に生きる 前編

極寒の地、ロシアのシベリアに生息するアムールトラを追うシリーズの前編。アムールトラは、トラの仲間のなかでも最大の大きさを誇るが、密猟により激減している。現在の個体数は300頭ほどに落ち込み、研究者でさえ野生の姿を見られるのはまれだという。
そんなアムールトラの生態を調べ、絶滅の危機から救うため、ロシア、アメリカ、イギリスからなる国際調査チームが結成された。
チームは、雪に覆われた森のあちこちに、何十台ものカメラを設置。子どもを産むことができる若いメスの捜索に乗り出す。手がかりとなるのは、雪に残された足跡と、過去に取り付けた首輪の発信器の情報だ。
ところがその途中、密猟により母親を失った3頭の子どもがいることが発覚。そのうちの1頭はすぐに無事保護されたが、ほかの2頭は行方不明になっていた。母親なしでは、まだ幼い子どもたちの命が危ない。果たして調査チームは、アムールトラの子どもたちを探し出し、その小さな命を救うことができるのか?

シベリアの雪深い森に覆われたウスリースク自然保護区。車のエンジンも凍る寒さのなか、調査チームによるアムールトラの捜索が始まった。手がかりとなるのは、雪に残された足跡と、過去に取り付けた首輪の発信器の情報のみ。研究者でさえ野生の姿をほとんど見たことがないため、森のあちこちに何十台ものカメラを設置する。
数日後、カメラの映像を確認すると、2頭のオスが映っていた。しかし、メスの姿がいっこうに見つからない。もし1頭もメスがいないとなれば、やがて保護区のアムールトラは絶滅してしまうだろう。
そこへ、さらに気がかりな知らせが入る。密猟により母親を失った3頭の子どもがいることがわかったのだ。そのうちの1頭は保護されたが、ほかの2頭は行方不明になっていた。母親なしでは、まだ幼い子どもたちの命が危ない。一刻も早い救出が望まれる状況だ。しかし、唯一の手がかりである足跡は途中で消え去っていた。
5日後、森の北にあるロシア軍の基地内で、子どものトラが目撃されたとの情報が寄せられ、2頭目の子どもを保護することに成功。かなりやせ細っていたが、応急処置のかいあって、子どもは無事元気を取り戻した。
一方で、メスの捜索も続けられていた。そしてようやく、それらしき足跡を発見。すぐ近くにしかけられたカメラには、見事にメスの姿がとらえられていた。しかし詳しく調べてみると、そのメスは子どもを産めない年齢であることが判明する。
調査は難航の兆しを見せ始めた。さらに悪いことに猛吹雪が襲い、歩くだけで腰まで埋まるほどの雪が積もる。手がかりの足跡は完全に消え、地元住民の目撃情報に望みをかける調査チーム。そして数日間に及ぶ捜索の末、奇跡的に3頭目の子どもが雪に埋もれているのを発見する。だが衰弱がかなり激しい。果たしてチームはその小さな命を救うことができるのか?