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アポロ11号 ― 人類初 月面着陸の裏側とは?
後編 成功への道
8日間にわたるアポロ11号のミッションと、ロケット打ち上げに至るまでの数年間のエピソードを、当時の映像と再現ドラマを交えながら、前・後編で臨場感たっぷりに伝えるドキュメンタリードラマ。後編は、アポロ11号がいよいよ月の周回軌道を離れて月面へと向かい、アームストロングが記念すべき第一歩を踏み出したところから、エンジントラブルを乗り越えて無事に地球に帰還するまでを描く。
アポロ11号が打ち上げられる数週間前、ニール・アームストロングとエドウィン・オルドリン(通称バズ)は、「どちらが先に月面に降り立つか」をめぐり、微妙な関係になっていた。特にバズは、最初に月に降り立つ重要な役割を果たすのは自分であるべきだと、強く主張していた。しかし、NASAの幹部は2人の性格を考慮したうえで、月に第一歩を踏み出す名誉ある役を、アームストロングに決定する。そのころ、司令船に1人残る予定のコリンズも、自分だけが月に立てずに終わることに葛藤を抱いていた。
打ち上げ3週間前、アームストロングは月面着陸のシミュレーターで故意にミスをする。なぜそんなことをしたのかと、バズに問い詰められた彼は、「管制官がどのような判断をするのか見たかった。その結果、頼れるのは自分たちだけだとわかった」と答える。
打ち上げ2週間前、アームストロングは、自分が帰還できなくなるかもしれないことを息子に説明する。
そして、打ち上げから5日目。アームストロングとバズは司令船から月着陸船に乗り移る。いよいよ着陸のときがやってきたのだ。着陸予定地点は岩だらけだったが、着陸船はどうにかその先に降り立つ。燃料の残りはほんのわずかだった。
アームストロングは、ついに月面に歴史的な第一歩を踏み出す。
「ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大いなる飛躍である」という有名な言葉は、このときの彼の発言である。その様子は世界中に生中継され、人々を熱狂させた。アームストロングに続きバズも月面に立ち、2人は月面でニクソン大統領からの電話を受ける。
全てが順調に思えた月への旅だったが、月面での任務を終え、2人が撤収しようとしたとき、トラブルが発生。上昇用エンジンのスイッチが折れていたのだ。エンジンが起動しなければ、彼らは月に置き去りになってしまう。しかし、バズがフェルトペンの先端を使ってスイッチを押すという機転を利かせ、エンジンは無事に起動した。
1969年7月24日、3人の宇宙飛行士たちは世界中の人々が見守るなか、無事に地球へと帰還したのである。