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愛すべきナマケモノ その意外な生態
中央アメリカ南部に位置するコスタリカ共和国。ここに世界で唯一のナマケモノのための保護施設がある。アメリカ人女性のジュディ・エイビー・アロヨが20年前から運営しているもので、ケガをして、または孤児となって保護された160匹以上のナマケモノたちが飼育されている。番組では、この保護施設を1年にわたって取材。そこで繰り広げられるナマケモノたちの数々のドラマを紹介する。
ナマケモノという名前は、ゆっくりとした動作や木にぶら下がったままほとんど動かない姿から付けられたものである。それゆえ文字どおり「怠けている」と思われがちな動物だが、実は6千万年かけて進化してきたその生態は、環境に適応するためのさまざまな知恵にあふれており、まだまだ知られていないことがたくさんある。ナマケモノたちの日常を見れば、彼らの生態にはそれなりの理由があり、ただ怠けているわけではないことが分かるだろう。
この番組に登場する主なナマケモノたちは5匹。最近、施設の新しいメンバーとなったのは赤ん坊のトビー。母親が育児放棄をして、木から落とされたところを人間に助けてもらった。トビーは新しい環境にすんなり溶け込み、人間たちに世話をしてもらいながら、ナマケモノ独特の"ナマケモノらしさ"を身に付けていく。
バイオレットとセバスチャンは、生後3カ月の双子の赤ん坊。母親がいない彼らをヤギのミルクで育てようとするが、そのミルクには赤ん坊に必要な免疫物質が含まれていないため、深刻な病気に感染してしまう。ジュディは薬を作ったり、衣類を作って体温調節したりと大奮闘。果たして、小さな2匹は無事に育つことができるのだろうか。
施設近くの木の上で暮らす、野生のオスのランディ。施設内のメスたちが発情期を迎え、オスを呼ぶ奇声を発するようになると施設に足繁く通ってくる。そんな彼がケンカをして木から落下、腕を骨折してしまい施設に収容されてしまう。手術後、治療を受けたランディは無事に野生に戻ることができるのか。
そして忘れてはならないのは、この施設のリーダーとして玉座のようなハンギングチェアに座って君臨するバターカップ。20年前、赤ん坊だったバターカップをジュディが保護したことが全ての始まりだった。20歳となったバターカップは今やジュディの"真の娘"であり、また、施設の顔として訪れる観光客たちを魅了し続けている。
施設の中では数々のドラマが日々繰り広げられている。愛すべきナマケモノたちの生活の様子とユニークな生態を描きながら、悲しい事故からナマケモノたちを守る試みなども紹介していく。