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ストーリー

知られざる恐竜の世界へ

かつて地上を支配した巨大な生物、恐竜。しかし、恐竜のイメージの多くは、想像によってつくられてきた。なぜならほんの数十年前まで、恐竜の姿や行動を知る確かな証拠がなかったからだ。そこで、古生物学者たちは恐竜の真の姿を求め、さまざまな研究を続けてきた。
50年ほど前までは"のろまな爬虫(はちゅう)類"と思われていた恐竜だが、新たな化石の発見によってイメージが一変。肉食恐竜は、予想以上に視力の発達した俊敏なハンターだったのだ。また、最近では羽毛の生えた恐竜の化石が次々と見つかり、多くの恐竜の体に羽毛があった可能性がでてきた。
さらに、研究者たちは恐竜にまつわる多くの疑問に挑んできた。恐竜は何が原因で絶滅してしまったのか―。 危機を乗り越え、生き延びた恐竜はいなかったのか―。 それらの答えも明らかになりつつある。
番組では、恐竜の謎に挑んできた研究者たちのドラマを、過去の貴重映像とともにさかのぼる。過去と現在、そして未来を結ぶ、完全保存版の恐竜ドキュメンタリー。

かつて1億6千万年もの長きにわたり、地球の王者として君臨した恐竜だが、残念ながらもう今はいない。しかし古生物学者たちは、ほんの小さな骨のかけらをもとに、長い年月をさかのぼり恐竜の本当の姿や驚くべき生態に迫ってきた。さまざまな謎に挑んだ研究者たちが、40年以上にわたって見つけ出してきた真実のドラマが、過去の映像とともによみがえる。 初期の恐竜研究は、その多くを想像に頼るしかなかった。例えば1970年代まで、4足歩行する植物食の恐竜は、水の中で生活するとされていた。陸の上ではその巨大な体を支えきれないと考えられていたからだ。しかし、さまざまな足跡や骨の化石が見つかるにつれ、本当は陸の上で生活していたことが明らかになっていく。また、2足歩行で獲物を追う肉食の恐竜が発見されたことにより、それまで恐竜に付きまとっていた"のろまな爬虫(はちゅう)類"というイメージが一変。さらには、体温の調整ができる恒温動物だったのでは?という説まで浮上した。そうして恐竜の全体像は少しずつ明らかになってきたのだ。
恐竜の新たな真実は、偶然の発見によりもたらされることも多い。1990年、アメリカの化石発掘家が、ほぼ完全なティラノサウルスの骨格を発見した。そのおかげで、最強の肉食動物といわれるティラノサウルスの研究が大きく前進。ティラノサウルスは、史上最強のアゴを持つ動物だったことが証明されたのだ。
また、長年大きな謎とされた恐竜絶滅の原因も、ついに突き止められた。およそ6500万年前、地球に小惑星が衝突し、環境に激しい変化が起きたのだ。恐竜の概念は、羽毛恐竜が発見されたり、鳥類との比較研究が進んだりしていることで、次々と書き換えられているが、さらに未来の新発見によって、恐竜のイメージは大きく変わるかもしれない。