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野生のアメリカクロクマに密着!
-母と子の1年を追う- 3 秋から冬へ
生態が謎に包まれてきたアメリカクロクマ。人間を襲う回数も多く、その凶暴さゆえ、近づくことは不可能ともいわれている。そんな野生のアメリカクロクマの生態を、クマ研究の第一人者リン・ロジャーズ博士と、動物カメラマンのゴードン・ブキャナンが、独自の手法により1年間をかけて至近距離から撮影した、全3回のドキュメンタリーシリーズ。
第3回は、繁殖期が終わり、再び一緒に過ごすようになった母リリーと子ホープの秋を追いかける。
秋のクマは、冬眠の準備で食欲旺盛。活発に動き回る親子を、狩猟シーズンを向かえたハンターたちの罠が待ち伏せる。至近距離からクマの親子の生態をとらえながら、クマの世界を脅かす人間社会の在り方を見つめる。
8月上旬、アメリカ北部・ミネソタ州ノースウッズの森は、すでに秋の色に染まっていた。冬ごもりに備えて食欲旺盛なクマたちは、エサを求めて活発に動き回る。再びクマの親子に会いにきたゴードンとロジャーズ博士は、うれしい光景を目にした。母グマ・リリーと子グマ・ホープが、また一緒に暮らすようになっていたのだ。リリーとホープもまた、他のクマと同じように、冬を越せるだけの蓄えをつけるため、エサを求めて広い範囲を歩き回っていた。しかし、親子の前に暗雲が立ちこめる。森に人間のハンターが現れるようになったのだ。狩猟シーズンが訪れた秋の森。ゴードンとロジャーズ博士は撮影を続ける一方で、クマの安全を守ろうと、ボディガードもこなすようになっていく。クマの親子を守ろうと、夜明けから日暮れまで行動を共にし、クマの世界を脅かす人間社会の在り方を見つめる。
凶暴で危険な動物といわれているクマ。しかし彼らの世界には、人間社会と同じように家族の強い絆(きずな)と温かな愛が満ちあふれている。美しい森を背景に、たくましく健気に生きるアメリカクロクマの親子。知られざるクマの世界を鮮やかに描く。