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ストーリー

神秘の大宇宙 Episode 3 重力の秘密

太陽系を解説した「神秘の太陽系」で、案内役を務めた物理学者ブライアン・コックス教授によるシリーズの第2弾。今回は、宇宙に関する数々の謎に迫る。
第3回のテーマは、“重力の秘密”。宇宙を形づくった重力について解き明かす。重力とは、宇宙のはるか彼方にまで影響を及ぼす、宇宙には欠かせない重要なもの。ブライアンは、無重力体験できるジェット機に乗り込み、私たちを取り巻く環境において、重力がどのような影響を及ぼしているのか解説する。

ブライアンは、まず無重力を体験できるジェット機に乗り込み、重さのない世界を体感する。エンジンを止めた機体が落ちることで、落ちている間、重力から抜け出すことができるのだ。
続いてブライアンは、常に私たちに同じ面を見せて輝いている月に注目する。月は、地球の重力が月の自転と公転の速度を固定したため、地球に対していつも同じ面を見せるようになったのだ。このような重力によるつながりは、地球と月に限ったことではなく、宇宙の隅々まで広がっている。地球を含めた太陽系の惑星の軌道、銀河系を回る太陽系の軌道も、重力によって決まっているのだ。
しかし、地球における重力はそれほど強い力ではない。重力の強さは、惑星によって異なるのだ。ブライアンは、戦闘機のパイロット訓練用に作られた遠心機に乗り、地球以外の惑星の重力を体験する。海王星と同じ重力では、手を上にあげることができたが、木星の重力では、手をあげることすら難しくなった。さらに、もっと強い重力の惑星では、呼吸することもできなくなり、視界がぼやけ、気分が悪くなってしまった。私たち人間の体は、地球の重力で暮らせるように、調整されているのだ。
続いて、水星に注目。太陽を回る水星の軌道は、きれいな円ではなく楕円(だえん)形で、水星がなぜそのような軌道をとっているのかが科学者たちの長年の疑問だった。
その謎を解明したのが、アインシュタインの「一般相対性理論」である。この理論によって、太陽の重力で時空がゆがんだ結果、水星が楕円(だえん)状の軌道をとっているということがわかったのだ。
最後にブライアンは、計り知れない重力を持つブラックホールについて説明する。私たちのいる銀河の中心には、驚くほど高密度のブラックホールがある。時空を極端にゆがめるブラックホールからは、光すら抜け出すことができない。一度飲み込まれてしまったら、決して脱出できないのだ。
ブライアンは、「重力とは、世界の創造主であると同時に破壊者でもあり、その謎は、まだ全て解き明かされていない」と語る。