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神秘の太陽系 Episode1 太陽の謎
物理学者ブライアン・コックス教授が、太陽系の様々な謎に迫る全5回シリーズ。太陽系はどのようにして生まれたのか?太陽系に存在する惑星や衛星では、今何が起きているのか?ブライアンが世界各地を訪れ、地球と他の惑星を比較しながら太陽系の神秘を解き明かす。
第1夜で取り上げるのは、太陽系をコントロールする恒星、太陽。太陽の仕組みや働きを解明し、太陽の誕生から死までの過程を紹介する。
ブライアン・コックス教授が最初に訪れたのは、インドのバラナシ。聖なる川、ガンジス川のほとりで皆既日食を見るためである。日食は、木星や土星など太陽系の他の惑星からでも見ることができる自然現象。しかし、太陽が完全に覆い隠される皆既日食が見られるのは、地球だけ。太陽は月の400倍の大きさであるが、地球と月との距離より400倍も離れたところにあるため、地球と太陽の間を月が横切るとき、太陽は月の後ろに完全に隠れてしまうのだ。ブライアンは、天王星、土星、火星、水星など、太陽系の他の惑星から、どのように太陽が見えるかを、CGを駆使して説明する。
次に訪れたのは、カリフォルニアのデス・バレー。地球上で一番暑いと言われている場所である。科学者たちは何世紀にも渡り、太陽のエネルギー源を解明しようとしてきた。ブライアンは、デス・バレーで、地表にどのくらいの太陽エネルギーが届いているかを調べる簡単な実験を行った。そして、その数値をもとに、太陽から放出される全エネルギー量を計算した。
太陽からは常に膨大な量のエネルギーが放出されている。「太陽風」と呼ばれるそのエネルギーは、地球に接近すると地球の磁場を変形させ、ある自然現象をもたらす。それがオーロラだ。太陽から吹きだした太陽風が地球の大気と衝突すると、オーロラが発生するのである。ブライアンは、オーロラを見るためにノルウェーに向かった。
ノルウェーでブライアンを案内してくれたのは、天体物理学者のマイク・ロックウッド教授。オーロラは、いつでも見られるわけではないため、少しでも見られる確率を上げようと専門家の力を借り、ブライアンは無事にオーロラを見ることができた。
次の目的地は、カリフォルニア州ゴールドストーン。ここでは、惑星探査機ボイジャーから送られてくるデータを受信している。30年以上も宇宙から正確に信号を送り続けるボイジャーから送られてきた信号を見たブライアンは、「美しい」と感動する。
最後に訪れたのは、チリのパラナル天文台。ここには超大型望遠鏡VLTがある。ブライアンはここで太陽の未来について考える。絶えず水素を燃やし続けてきた太陽が最後の時を迎えるのは、今から50億年後。水素がなくなり核が崩壊した太陽は、200倍の大きさに膨れあがり、地球の軌道にまで達する。太陽の寿命が尽きるときが地球の終わりだとブライアンは語る。