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地下に眠るローマ帝国
~最新テクノロジーでよみがえる~ 後編
ローマ帝国は、長きにわたり広大な領土を支配した。果たして、どのようにして巨大な帝国を治めていたのか? その謎を解き明かそうと、宇宙考古学の第一人者サラ・パーカック博士が、人工衛星が撮影した画像を分析し、地下に埋もれている遺跡の場所を割り出す。そしてイタリア、ルーマニア、中東、アフリカ北部を訪れ、実際に遺跡を調査。見つけ出された遺跡をCGによって再現し、当時の様子をリアルに伝える前・後編シリーズ。博士は、衛星の画像を解析し、地中に埋もれた古代の遺跡を見つけ出す宇宙考古学の第一人者だ。
地下に眠っているローマ帝国時代の遺跡が、最新のテクノロジーによって次々と探し出される。歴史を書き換える新たな発見も。後編では、訪れたアラビア半島のペトラで、ローマ帝国時代の豊かな農村の跡を見つける。帝国に支配され、地域が平和になり繁栄したことを物語っている。続いて訪れた北アフリカのチュニジアでは、ローマ帝国が築いた2500kmにおよぶ壁を発見。遊牧民から豊かな小麦地帯を守るためのものだった。
最後にサラ・パーカック博士は、衛星の画像からついに「ポルトゥスの大灯台」を見つけ出す。ローマ帝国の強大な力を示す建造物で、その大きさはローマを訪れる者に恐れを抱かせるものだった。
後編では、考古学者のサラ・パーカック博士が、人工衛星が撮影した画像を分析しながら、中東のヨルダン、アフリカのチュニジア、そしてイタリアのローマで、古代ローマの遺跡を調査する。
サラ・パーカック博士は人工衛星の画像から、ヨルダンの古代都市ペトラに巨大な建造物らしきものを発見。現地に向かうが、考古学調査で発掘された穴だったとわかる。落胆する博士だが、衛星の画像からペトラ郊外に農村の跡を見つける。
CGで再現されたのは、作物が豊かに実る平和な農村。ペトラには食糧が豊富にあったことがわかる。ローマ帝国に支配されたことで、部族間の争いが絶えなかった地域は平和になり、繁栄したのだ。
再びローマに戻った博士は、古代ローマの港ポルトゥスの遺跡を次々と発見。その結果、港の様子が明らかになってきた。ポルトゥスは、ローマ帝国の玄関口。帝国の強大な権力を示すため、港には巨大な船の格納庫やトラヤヌス帝をかたどった巨人がそびえていたという。再現された大きな建造物のCGは、港を訪れる人々がそれを見て、どれほど驚き恐れおののいたのかをリアルに伝える。
続いてチュニジア・チュニスへ。ローマ帝国時代、肥沃(ひよく)なチュニスは首都ローマの人々が食べる小麦の生産地として栄えていた。この豊かな小麦地帯を守るため、ローマ帝国は2500kmにわたる壁を築いたのだ。衛星の画像から、壁の周辺には民間人の集落があったことも確認される。
最後に、衛星の画像から大灯台の基礎部分らしきものを見つけた博士は、レーザー光線を使ってさらに分析。努力が実り、考古学者たちが何世紀にもわたって探し続けてきたローマ帝国の力の象徴「ポルトゥスの大灯台」を探し出すことができた。また、その過程で円形闘技場も発見する。
今回の発見によって、ローマ帝国は広大な領土を治めるため、さまざまな方法を使っていたことが明らかになった。占領した地域を平和に治め、肥沃(ひよく)な土地で大量の食糧を生産。港には大灯台や皇帝の巨大な像などを建てて、訪れる者に帝国の強大な力を見せつけた。こうして人々の心をひきつけていたのだ。