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イギリス・華麗なる宮殿の旅 バッキンガム宮殿
長い歴史と伝統を誇るイギリス王室。その宮殿に刻まれた知られざるエピソードと美しい建築の数々を、BBCのプレゼンター、フィオナ・ブルースが紹介していく全3回シリーズ。
第1回は、首都ロンドンの中心に位置する「バッキンガム宮殿」。王室の記念式典や祝賀会などが行われる王室庁本部であり、結婚などのセレモニーの際にロイヤルファミリーが姿を現すバルコニーや、門の前を守る衛兵の姿が有名だ。そんなバッキンガム宮殿が誕生してから今日までの知られざる物語や、現在は公開されていない貴重な部屋などを紹介しながら、王室が築いてきた歴史と数々の文化を追う。
現在のバッキンガム宮殿が建っている場所にイギリス王室が住み始めたのは18世紀のこと。国王ジョージ3世が王妃シャーロットと住むために、政治家であり軍人でもあったバッキンガム公爵の邸宅「バッキンガム・ハウス」を買い取ったことに始まる。派手なものが好きなバッキンガム公爵とは対照的に、ジョージ3世は質素な生活を好むタイプだったようで、館の豪華な門や、屋根の上の彫像などの装飾をわざわざ取り払ったという。
そんな地味な生活にうんざりしていた息子ジョージ4世は、館からそう遠くない場所に、国内一とうたわれるほど豪華な宮殿「カールトン・ハウス」を建設。しかし、大英帝国の統治者となる際にカールトン・ハウスを取り壊し、建築家ジョン・ナッシュを呼んでバッキンガム・ハウスを壮大な宮殿へと改築した。こうしてバッキンガム宮殿が誕生した。
ジョージ4世の時代に作られた部屋には、繊細な細工が施された家具やシャンデリアが配置され、どれもすばらしいものばかり。中でも、現在は公開されていない「センター・ルーム」の内装は、宝飾品を散りばめたエキゾチックな仕上がりになっている。だが、彼が亡くなるまで繰り返された工事は巨額の負債となり、凱旋門の完成とともに建設作業は終了した。
その後、バッキンガム宮殿は若きビクトリア女王の住居となった。ジョージ4世時代から未完のまま放置されていた建物は、女王の夫・アルバート公が大部分を完成させ、さらに息子のエドワード7世が改築し、現在の姿ができあがったという。バッキンガム宮殿の歴史と知られざる物語を、普段は見られない部屋や宝飾品などの貴重な映像満載で紹介する。