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ストーリー

古代ギリシャ・神話の旅 後編 
ギリシャからシチリア~ナポリへ

さまざまな神や英雄、怪物が登場し壮大な物語が繰り広げられるギリシャ神話。その誕生の背景には、ギリシャの東にあるエウボイア島(現・ユービア島)に暮らしていたエウボイア人の存在があった。彼らは神についてどう考え、どうやって神話を生み出したのか? 歴史家ロビン・レイン・フォックスが、ギリシャ神話のエピソードを紹介しながら、神話誕生の真実に迫る全2回シリーズの後編。
今回の旅は、ギリシャより西側の島々へ。神々や人間、そして怪物たちがぶつかり合う戦いの伝説を中心に、それらが生まれた経緯や背景にある真実を探る。エウボイア人は神の実体をどのようにとらえていたのか、その答えが浮かび上がる。

ギリシャ神話を作り出したエウボイア人は、自分たちの神話をさらにドラマティックな内容へと進化させた。それは、全能の神ゼウスとヘビの怪物テューポーンの戦いを描いた物語だ。このエピソードは、実際にある場所や風景と伝説という、全く違う要素を組み合わせて作られていったものだった。彼らは古代ヒッタイトの伝説をもとにストーリーを構成する一方で、テューポーンが住むとされた洞穴はトルコのカラペテ南西の峡谷をもとにしている。さらに、イタリアのエトナ火山やイスキア島にも渡り、物語のクライマックスとなるテューポーンの最後を書き上げた。番組では、それらの土地を旅しながら、全能の神ゼウスと怪物テューポーンの壮絶な戦いの物語を追う。
また、シチリア島クーマイ近郊の化石の発掘現場に赴き、エウボイア人が、マンモスなどの骨を、神と戦って敗れた巨人の骨と考えた経緯を探る。さらに、神々が巨人達を撃退した戦場の跡地を求めてナポリへ。地中海各地の大自然や風景、エウボイア人が出会ったであろうさまざまな文化を紹介する。
ギリシャ神話誕生の背景にある真実、そしてその謎を解き明かす壮大な旅はクライマックスを迎える。