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ストーリー

イギリス・華麗なる芸術の旅 3 王と権力の時代

本シリーズではイギリスの歴史を7つの時代に区分し、文書による記録ではなく、残された工芸品やアート作品を手がかりにひもといていく。案内役を務めるのは、イギリスBBCのコメンテーターとして知られるデビッド・ディンブルビー。
第3話「王と権力の時代」が取りあげるのは、ヘンリー8世が即位した1509年から、シェークスピアが彼を題材に「ヘンリー8世」を執筆した1600年始めまでの約100年間。この時代はチューダー朝と呼ばれ、芸術が権力を表現する道具として使われた。
デビッドは、イギリス国内だけでなく、ヨーロッパ各地を訪ね、それに関連した工芸品やアート作品を紹介していく。

デビッドは、まずロンドンのウェストミンスター寺院を訪ねる。1509年、ヘンリー8世が、チューダー朝2人目の王として即位した場所だ。ヘンリーは権力を誇示する手段として芸術を利用し、莫大な費用をかけ、ウェストミンスター寺院に豪華な両親の墓を作った。
この頃、イングランド王国はフランスと敵対関係にあった。1520年、ヘンリー8世はフランスの国王と和平条約を締結する。両国の友好行事の一環として贅を尽くした式典が開かれた。ハンプトンコートにある絵画から、その華やかさをうかがい知ることができる。
また、妻との離婚をローマ法王に認められなかったヘンリー8世は、自ら「イングランド国教会の長」となり、カトリック教会と決別した。
ロンドンのナショナル・ギャラリーには、宮廷画家を務めたホルバインによる数点の肖像画が展示されている。ホルバインは、対象を細部までとらえた写実的な肖像画を描いた。ケンブリッジにあるトリニティ・カレッジには、彼が描いたヘンリー8世の肖像画が残されている。
ロンドン塔には、ヘンリー8世が最後に使用した鎧一式が飾られている。ヘンリー8世は1547年、55歳で死亡した。
ハットフィードシャーのハットフィールドハウスは、ヘンリー8世の娘エリザベス1世が幼少期を過ごした場所。デビッドは、ここでエリザベスの肖像画と出会う。
エリザベス1世は、力で国を支配した父親とは異なり、自分のイメージを巧みに演出することで、国民からの支持を得た。
ロンドンのミドル・テンプルで、デビッドはモリニューが作成した地球儀を見て、世界1周をしたフランシス・ドレークに思いをはせる。
16世紀は、宝石、香料などが、世界中からイングランドにもたらされた。1912年、建設現場から発見された多数の宝石は、当時の栄華を忍ばせる。
最後に、デビッドはシェークスピアの作品を数多く上演したグローブ座を訪れる。シェークスピアは、「リチャード3世」「ヘンリー5世」など、歴史上の人物を題材とした作品を数多く執筆した。