BBC地球伝説

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ストーリー

ヒューマン・ジャーニー ~遥(はる)かなる人類の旅~
ヨーロッパ さらなる変遷

人類はおよそ7万年前にアフリカを出て、世界中に広まったと言われている。

今回、最初に紹介されるのはヨーロッパの東端に位置するルーマニア。ルーマニア某所の地下遺跡は「骨の洞窟」と呼ばれ、非常に重要であるため正確な位置は公表されていない。ここから発見された骨片をつなぎ合わせると、4万年前のものと判明した。これは、初期の現生人類のものでヨーロッパ人のものとしては最古の頭がい骨である。彼はいったいどうやってルーマニアに来たのか。
 およそ7万年前、私たちの祖先はアフリカを出てアラビア半島へ渡った。それから数千年後、短期間ではあるが、地球の気温と湿度が上がった時期があった。砂漠が緑化したその時期に、人類は中東を抜け、ヨーロッパへ到達したと考えられる。私たちは、法医学アーティストの力を借りて、4万年前の頭がい骨がどんな顔立ちだったのかを復元してもらった。その顔の特徴は、現存している人種のどのグループとも一致しないが、黒人にも南東アジア人にも白人にも発展していく可能性を備えていた。しかし、彼らが進んで行った北の寒い地方には、すでに先客がいた。ネアンデルタール人である。
 私たちの祖先は、ネアンデルタール人を相手に、どうやって生き抜いたのだろうか。その答えを示すのは、3万5千年前のものと思われるフルートを初めとする楽器や芸術品だ。広い範囲に渡り、私たちの祖先の居住跡からは、同じ芸術品が出土している。それは私たちの祖先が「仲間」「同志」として交流し合い、助けあっていた証拠だ。ネアンデルタール人の居住跡からはそのような痕跡は見られない。この社会的なネットワークが、私たち祖先に勝利をもたらしたのかもしれない。しかし、最終的にネアンデルタール人を駆逐したものは気候であると考えられる。寒さや干ばつに見舞われたとき、他の集団と連帯のない集団は弱いからだ。
 2万年前には、すでにヨーロッパには私たちの祖先しかいなくなっていた。10万年以上もの間、放浪していた私たちの祖先の外見は黒い肌が白く変化した。そして、組織化が進んだ社会は、新たな変化を生み出す。ヨーロッパ文明の誕生の基礎が築かれていったのである。