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ヒューマン・ジャーニー ~遥(はる)かなる人類の旅~
アジアへの広がり
人類はおよそ7万年前にアフリカを出て、世界中に広まったと言われている。
今回は、アジアに広がる人類の足跡をたどる。
最初に訪れたのは極寒のシベリア。ここに住む遊牧民のエべンキ族は、最初にシベリアに渡った人類の子孫で、彼らの顔には中国など東アジアの人々とよく似た特徴が見られます。彼らはなぜこの地に足を踏み入れ、どのようにして生き抜いてきたのだろうか。
シベリア全土に残る火の痕跡をたどることで初期の人類が野生動物を追って北上しついには北極海にまで到達していたことが分かっている。また、世界最古と見られる骨でできた"針"がシベリアで見つかっている。これは、人類史上最も重要な道具の一つでありエべンキ族が毛皮での防寒を可能にした最大の発明であろう。
しかし、考古学的調査によれば、人類は氷河期の到来とともに南下し、さらに中央アジアへといたったことが分かっている。
またこのころ、彼らの外見にも変化が出てきた。東アジアの人々の顔の特徴として低い鼻や平面的な骨格、皮下脂肪の多いまぶたなどであり、その変化の原因は氷河期の寒さにあるという。
しかし、中国人の多くはこの顔の特徴はルーツの違いからくるものと考えており、自分たちがアフリカ起源ではなく、別の種、ホモ・エレクトス(北京原人)の子孫であると信じる人が多い。
中国の専門家の多くが、ホモ・エレクトスは絶滅したのではなく現在の中国人の祖先となったと考えている。しかし、西洋人の科学者の多くは違う意見で、現代の中国人の頭がい骨はアフリカ人やヨーロッパ人のものとほぼ同じでホモ・エレクトスとは似ていないと言う。そして遺伝子解析の結果でも、中国人もアフリカ起源であることが裏付けられている。
最後は、中国文明発祥の秘密。桂林の遺跡からは世界最古の陶器の破片が出土した。陶器の出現は米の調理が可能になったことを意味する。偉大な文明の基礎は、稲作技術の開発、そして新たな農耕・定住型の生活様式によってもたらされたのだった。