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ストーリー

ギリシャ神話の英雄たち
2 アルゴ号の大航海

イアソンは英雄たちを率いてアルゴ号に乗り、黄金の羊毛を探してコルキス国を目指す。「オデュッセイア」同様にアルゴナウテス(アルゴ号に乗った英雄たち)の旅もまさに冒険そのものであった。番組では、イアソン一行の冒険を追う一方で、その水面下に秘められた意味を探る。実はこの冒険は、イアソンにとっての通過儀礼、自己発見の旅。すなわち少年が大人になるための教訓を述べた物語なのだ。
またレムノス島の女たち、アマゾン、セイレンといったキャラクターが、いずれも女性形の怪物、ないしは怪物的な女性であることも見逃せない。この事実は、古代ギリシャ人の持つ根深いジェンダー差別を暗示する。ただしイアソンを最後に救うのも女性である。その意味で、この神話は現代に通じるテーマを内包していると言えるのかもしれない。
このドキュメンタリーでは、ギリシャ神話に描かれた船や、様々な部族の建築物、衣装などが最新技術を駆使して再現され、壮大な冒険旅行の物語が今によみがえる。

イオルコスの正統な王位継承者・イアソンは、父から王位を奪ったペリアス王の命で、コルキスの国にあるという金の羊毛を探す旅に出る。彼の船アルゴ号には、オデュッセウスやヘラクレスらの英雄たちが参集した。
出航したアルゴ号の一行は、女だけが住む島・レムノスに上陸する。島の女たちはイアソンらを歓迎するが、それは子種を得るためだった。この親切で美しい女たちは、実は恐るべき秘密を抱えていた。島に住む男たちを、かつて手にかけていたのである。
ヘラクレスの進言で旅を再開した一行は、エーゲ海の果てにたどりつく。そこには船を押しつぶす恐ろしい断崖があった。イアソンの機転でその難所を乗りきると、その先は黒海。古代ギリシャ人にとっては未知の世界である。
アルゴ号の一行は女戦士・アマゾンとの対決を回避し、海の怪物・セイレンの誘惑を振り払い、ついにコルキスにたどり着く。しかしこの地のアイエテス王は、金の羊毛を渡すまいと、イアソンに難題をふっかける。竜の歯を蒔き、そこから生え出る兵士を倒せというのである。イアソンは、アイエテス王の娘であるメデイアの魔力で、この試練を乗り越える。さらには金の羊毛を守る竜を出し抜き、見事に旅の目的を達した。