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ストーリー

ケイブマン 遥かなる祖先への旅 ~後編 生き残ったのは誰か~

人類はどのようにして現在の私たちのようになったのだろうか? その道筋をたどるシリーズの第2回は、人類が大きな脳を持つようになり思考能力を獲得したところから、自由にイメージを羽ばたかせる想像力を手に入れるまでを追う。
ホモ属へと進化したさまざまな人類の暮らしを再現。ホモ・エルガステル、ハイデルベルク人、ネアンデルタール人などが、特殊メイクで甦り、まるでホームドラマを見るように彼らの暮らしを目の当たりにすることができる。
日常生活のリアルな描写を可能にしたのは、化石や遺物に基づく科学者たちの分析である。化石人類の脳の容量から、狩りのときどんな作戦を立てることが可能だったかを推測する。頭骨の喉の状態から、最初に人間らしい声を発したのはホモ・エルガステルだったということを割り出す。水の保存容器としてダチョウの卵を利用するシーン、壁画を描くシーンなども、すべて残された遺物に基づいている。番組で描かれた人類の祖先の暮らしが、作り物ではなく、本当にあり得たこととして、リアルに迫ってくるのは、そのような裏付けがあるからである。
人類の祖先はさまざまな生き残り戦略をとってきたが、強靱なだけでは生き残ることはできなかった。最後まで生き残るためには、ただ"考える"だけでも十分ではなく、"目に見えないものを想像する力"が重要だったという分析も興味深い。

今から150万年前のアフリカでは、ホモ・エルガステルという大きな脳を持つ人類が栄えるようになった。思考能力を手に入れた彼らは、人類発祥の地アフリカを離れ、世界へと旅立っていき、ホモ・エレクトスと呼ばれるようになる。
その後100万年もの間、人類はほとんど進化しなかったが、火を使いこなすことができるようになって、再び進化が加速。ハイデルベルク人が誕生する。
北のハイデルベルク人は、ネアンデルタール人へと進化し、持ち前の強靱さで氷河時代を生き抜いていく。しかし彼らには人類が進化するための決定的な要因が欠けていた。決定的な要因とは、想像力である。想像力のなかったネアンデルタール人は、やがて絶滅した。南のハイデルベルク人も、干ばつのために絶滅の危機にさらされる。しかし、想像力を獲得し、高度な生き残り戦略をとった一部の者が、現在の人類へと進化し、生き延びることができた。地球上の人類はすべて、彼らの子孫である。