BBC地球伝説

  • トップページ
  • 歴史
  • 自然
  • 紀行
  • 文化

ストーリー

ケイブマン 遥かなる祖先への旅 ~前編 歩き始めた人類~

人類はどのようにしてサルから現在の私たちのように進化したのだろうか? その道筋をたどるシリーズ。第1回は、人類が初めて二本の足で立ったところから、道具を作り始め、考えることができるようになるまでを追う。
10万世代前の祖先と対面するのは、いったいどんな感じだろうか? ワクワクすると同時に、ちょっと怖いかもしれない。このシリーズでは、数百万年前の人類の祖先の暮らしを映像でリアルに甦らせ、彼らの生活を目の当たりにしているような印象を与えることに成功している。
では、どのようにして猿人の姿や暮らしを甦らせたのだろうか? まず、実際に発掘された多数の化石をもとに、どんな姿をしていたか、何人くらいの集団で暮らしていたのかを解明。どのような暮らしをしていたかに関しては、現在のチンパンジーやゴリラなど類人猿の行動を観察して、科学者の監修のもとに日常の細部に至るまでの再現を可能にした。科学的な分析をもとに、特殊メイクによって甦ったさまざまな人類の祖先は、まるで本物のように私たちの目の前に迫ってくる。 現在、人類は一種しかいないが、200万年前にはさまざまな人類が共存していたという事実も興味深い。番組ではそれぞれの人類の特徴を見事にとらえている。その中からどの人類が私たちへとつながる進化を果たしたのか、興味は尽きない。

800万年前、人類の祖先は、森で暮らしていたサルだった。しかし乾燥が進み、森が草原になると、サルは二本の足で立って歩き始め、最初の人類、猿人になった。350万年前のアフリカで暮らしていたアファール猿人は、二本の足で直立歩行をすること以外は、ほとんどサルと変わらなかった。しかし直立歩行によって彼らはエネルギーを節約することができ、そのエネルギーを繁殖と子育てに向け、子孫を残しやすくなった。そして"手"が自由になったことで、人類は無限の可能性を持つことになった。そこに人類の繁栄の秘密がある。
乾燥が更に進んだ200万年前のアフリカでは、さまざまな人類が共存していた。乾燥した草原の硬い草を食料とするパラントロプス・ボイジイ。道具を作り、頭を使って考えることにより、食料を確保する肉食のホモ・ハビリス。ハビリスより大柄のホモ・ルドルフェンシス。しかし、その頃新たに登場したホモ・エルガステルが、彼らにとって代わることになる。