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ストーリー

コロッセウム ~古代ローマ グラディエーター物語~

古代ローマ帝国を象徴する建築物、コロッセウム。5万人を収容できる、この巨大な円形闘技場では、かつて様々な血生臭いショーが行われていた。そこでは猛獣狩りや囚人の処刑、そして、映画「グラディエーター」で改めてその存在を知られるようになった剣闘士たちの死力を尽くした闘いが、ローマ人を熱狂させていたのだ。誰が、なぜ、このような闘技場を作らせたのか? その真実に迫る。
そして、詩人マルティアリスが記した、コロッセウム完成式典での試合における剣闘士ウェルスのエピソードを基に、剣闘士たちがどのようにして集められ、命懸けの試合に出場することになったのか、勝者と敗者にはそれぞれどのような運命が待ちうけていたのかなど、彼らの生と死のドラマが、迫力ある戦闘シーンと共に描き出される。また、CGを駆使し、現在では多くの部分が失われたコロッセウムの建設当時の姿と、その盛大な完成式典の様子が、リアルな映像で再現される。

紀元1世紀。ローマ皇帝ウェスパシアヌスは、巨大な円形闘技場の建設に着手する。これは、市民たちに剣闘士や猛獣の死闘を楽しませるだけでなく、市民の考えを知る場を作り、その統治に活かすという、政治的な目的も込められた計画だった。建設には他国から連行された多くの奴隷たちが従事した。その中の一人ウェルスは自由を手に入れるために、採石場を訪れた剣闘士養成所の男の前で仲間と乱闘を演じてみせ、剣闘士候補に選ばれることに成功する。ローマへ連れて行かれたウェルスは、そこで剣闘士としての訓練を重ねて試合に出場し、次第に頭角を現していく。
一方、皇帝ウェスパシアヌスは闘技場の完成を待たずに死去し、後を継いだ皇帝ティトゥスの治世は、ベズビオ山の噴火による都市ポンペイの壊滅や、ローマの大火災などの災難に見舞われる。ティトゥスにとって闘技場の完成は、その威信を懸けた重要なものとなった。そして西暦80年。後に「コロッセウム」と呼ばれる大闘技場は完成する。盛大に行われた完成式典の目玉は剣闘士の一騎打ちだった。それはウェルスにとって、自由か死かの分かれ道となる最後の闘いでもあった。