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ストーリー

ルネサンスの真実 フィレンツェの栄光

ルネサンスの全貌を追って、ヨーロッパ各地を訪ねるシリーズ。
14世紀から16世紀にかけてヨーロッパ各地で起こったルネサンス。古典芸術を復興させようというこの現象は、ある重要な一時期、イタリアのフィレンツェがその中心地となった。はたしてルネサンス期のフィレンツェで、どんなことが起こり、どんな芸術家たちが活躍したのか。鮮明な作品映像と詳細な作品解説を交え、その歴史を分かりやすく説明していく。ルネサンスの歴史とともに、多彩な芸術作品と美しい街並みを誇る芸術の都フィレンツェの魅力が存分に楽しめる。

文芸復興を初めて考えた人物は、14世紀のフィレンツェで亡命生活を送っていた学者であり詩人であったフランチェスコ・ペトラルカであった。彼は、人類の歴史を三つの時代に区分して考えた。第一の時代は、人類の繁栄が頂点に達した黄金期、古代文明の時代。第二の時代はローマ帝国崩壊以降の中世。野蛮と無知が横行した暗黒時代である。そして、自分たちの生きる時代を新しく輝かしい第三の時代とすべく、古代文明の英知を復興させようと考えたのである。彼の考えは多くの支持を集め、文明を一変させてしまう大改革、ルネサンスへと発展する。
ルネサンス時期のフィレンツェは、都市共和国としての自由な気風と、金融業や織物産業がもたらした富を誇っていた。そんな環境に、次々と天才的芸術家が登場し、フィレンツェは一躍芸術の都となっていった。建築に古典様式を取り入れ、新たな建築様式を生み出したブルネレスキ。彼はまた、西洋絵画には欠かせない技法、透視図法を考案した人物でもある。ゴシック様式の殻を破り、新たな境地へと到達した彫刻家、ギベルティ。人間に対する理解が深く、あらゆるスタイルでリアリティを追求した彫刻家、ドナテーロ。こうした様々な才能が、幸運にも同時期にフィレンツェに現れたことで、人類の文明は華々しく飛躍したのである。