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ジュラシック・パーク 真実の物語
SFや壮大なスペクタクル、人間ドラマや歴史超大作まで、映画はいつも人々の心をつかみ、楽しませてくれるもの。しかし、映画に描かれる世界は完全なる作り話なのだろうか? このシリーズでは、空前の大ヒットとなった映画から毎回1つの作品に焦点を当て、映画の本編シーンを紹介しながら、実在した人物や歴史的背景、科学的な研究結果を検証し、隠された真実を探っていく。
第3回は、DNA操作で太古の恐竜を復活させる、1993年公開のSF大作「ジュラシック・パーク」。この作品は、当時の学者たちや最新の研究結果をもとに製作された物語。番組では、原作者マイケル・クライトンに影響を与えた学者、科学的な事実や出来事を紹介しながら、映画のように本当に恐竜を復活させることができるかどうかを検証する。
スティーブン・スピルバーグ監督作「ジュラシック・パーク」は、遺伝子操作でよみがえらせた恐竜が人間を襲うというSF超大作。当時の最先端技術で作り上げたリアルな恐竜の映像が話題となった。また、物語そのものにも最新の科学研究結果や、それに携わる人々の学説が使われていた。今回、映画の中で描かれた恐竜の生態や遺伝子工学についての科学的な疑問を検証していく。
映画の基盤となった、“琥珀(こはく)の中に保存されていたDNAから恐竜を再現する”という考えは、昆虫学者ジョージ・ポイナーの研究に基づいている。既に彼は琥珀(こはく)に閉じ込められた太古の昆虫のDNAを採取することに成功し、理論的には恐竜の復活も可能かもしれないと考えている。また、今では定説となった古生物学者ボブ・ベイカーが提唱した、“恐竜は知性を持つ温血動物”だという学説も、発表当時はそれまでの学説を覆すセンセーショナルなものであった。
こうした1993年までの研究結果を盛り込んだ映画の中の描写と、現代の科学を照らし合わせ、最新の学説も交えながらティラノサウルス(通称:Tレックス)といった恐竜の生態を解説する。
また、主人公グラント博士のモデルとなった古生物学者ジャック・ホーマーの“鳥類もまた恐竜である”という学説や、遺伝学研究の結果を参照しながら、生きた恐竜をよみがえらせることが実現可能かどうかを検証し、今や琥珀(こはく)ではなく、鳥類がその可能性の鍵を握っているという衝撃的な事実が明らかに。
太古の恐竜を復活させるというSF映画の筋書きが、科学の力によっていつの日か現実のものとなるのか、時空を超えた人類の壮大な夢の可能性に迫る!