百年名家~築100年の家を訪ねる旅~
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宣教師の遺した明治の洋館
~慎ましくも美しいアメリカンハウス~
今回は豊島区の雑司が谷にある旧宣教師館(旧マッケーレブ邸)を訪ねます。雑司が谷は、「鬼子母神堂」をはじめ、古い寺社や町並みが今も遺る歴史文化溢れる町です。中でも明治5年開設の「雑司ケ谷霊園」は、夏目漱石や泉鏡花などの著名人が数多く眠る共同墓地として広く知られています。そんな雑司が谷に遺された建物が「雑司が谷旧宣教師館」です。この建物は、明治に入り来日してきた数多くの外国人宣教師の1人、アメリカ人のジョン・マッケーレブが、自宅兼布教活動の拠点とするために建てました。建物は下見板張りにペンキ塗りの木造総2階建てで、19世紀後半のアメリカ郊外の住宅を基調としています。特徴はポーチの方杖や、破風板に見られる独特の繰形。これは「カーペンターゴシック(大工ゴシック)」と呼ばれるアメリカで発達した建築様式で、中世ヨーロッパのゴシック建築に由来します。日本人棟梁がマッケーレブと相談しながら施工したこの建物で、異彩を放つのは竹を用いた格天井。どこか数寄屋造りを思わせる天井が、洋風建築と見事に溶け合っています。慎ましくも美しい旧マッケーレブ邸は、東京都内でも数少ない明治期の宣教師館として貴重な建物です。
取材先情報
豊島区立雑司が谷旧宣教師館(旧マッケーレブ邸)
東京都豊島区雑司が谷1丁目25番5号 TEL:03-3985-4081
開館時間:午前9時~午後4時30分
休館日:毎週月曜日、第3日曜日、祝日の翌日、年末年始
入館料:無料
駐車場:なし
解説:解説をご希望の方は、事前にお申し込みをお願いいたします。
当日のお申し込みの場合、ご希望にそえない場合がございます。
団体見学:10人以上の団体もしくは学校の授業の一環としてのご見学の場合は、見学申請書(豊島区ホームページを参照)をご提出ください(当日可)。但し20人を超える場合は事前のお申し込みをお願いいたします。
(来館もしくはFAX申請)
雑司が谷旧宣教師館は東京都指定文化財です。建物保存のため、館内見学の人数を制限させて頂く場合がございます。
ご理解とご協力をお願いいたします。
※上記以外の情報については、公開出来ません。