百年名家～築100年の家を訪ねる旅～

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渋沢栄一の故郷「深谷」第１弾
～近代建築を造った煉瓦の町～

今回は埼玉県の深谷市を訪ねます。江戸時代、中山道の宿場町として発展してきた深谷は、明治から大正にかけて活躍した実業家、渋沢栄一の生誕地でもあります。渋沢栄一は第一国立銀行をはじめ、多種多様な企業の設立・経営に関わり「日本資本主義の父」と称される人物。実業界のみならず社会公共事業などでも指導的役割を果たしました。彼は明治２０年、日本で最初の機械式煉瓦製造工場、「日本煉瓦製造株式会社」を深谷に設立します。東京駅をはじめとする多くの近代建築物が、この会社の煉瓦を使い建設されました。まずは深谷市に今も遺る煉瓦工場跡を拝見。明治２１年に建てられたドイツ人煉瓦技師の洋館には、煉瓦関連の歴史資料が展示されていました。そんな深谷の町には、煉瓦を使用した当時の建物が数多く遺されています。中でも注目は町なかに屹立する「滝澤酒造」の煙突。高さ２５メートルの煙突にはモールディングが施され、その姿は深谷のシンボルともいえる存在感を放っています。目を惹くのは煙突の煉瓦が描きだす滑らかな曲線。当時の技術の高さを窺い知ることもできます。まさに“煉瓦の町”とも言える深谷は、渋沢栄一と歩んだ近代化の歴史を物語っています。