百年名家～築100年の家を訪ねる旅～

数寄屋造りの武家屋敷 ～福岡・柳川 第２弾「旧戸島家住宅」～

今回は福岡県柳川市の第２弾。柳川藩の城下町として栄えた柳川は、江戸時代当時の掘割が今も縦横に流れることから「水の都」と呼ばれています。そんな柳川の名建築を再びご紹介。第２弾は「旧戸島家住宅」を訪ねます。戸島家住宅は柳川藩士の隠居後の居宅として、文政１１年に建てられた武家屋敷。葦葺２階建ての主屋の周囲には、掘割の水を取り込んだ庭園が広がり、美しい佇まいを見せています。昭和３２年に県指定有形文化財となり、昭和５３年には庭園が国の名勝に指定されました。現在は柳川市に寄贈され一般公開されています。そんな戸島家住宅の最大の特徴は、武家屋敷でありながら数奇屋造りの建物という点にあります。武家の居宅が数寄屋造りとなっているのは、全国的にみても大変珍しく貴重な建物で、格式の象徴ともいえる式台玄関も、まるで茶室の玄関のような詫びた風情を漂わせています。中でも注目は庭に面した座敷。床や付書院を持つ書院造風なのですが、欄間や違い棚には細い小丸竹を用いるなど、現在では再現ができない匠の技で彩られています。庭園を望む濡れ縁では、内と外との境を曖昧とする構成に魅了されます。他では見ることのできない驚きの空間です。

取材先情報

旧戸島家住宅

福岡県柳川市鬼童町49番地3　TEL：0944-73-9587
開館時間：午前9時～午後5時（入館は午後4時30分まで）
休館日：毎週火曜日（火曜日が祝日の場合はその次の日）
年末（12月29日～1月3日）
観覧料：一般(小学生以上)100円
その他：北原白秋生家入館者は無料です。受付でチケットをご提示ください。
　　　　文化活動にもご利用できます。詳しくはお問い合わせください。
駐車場：施設には付属の駐車場がございません。
最寄りの市営筑紫町観光駐車場(徒歩2分)等をご利用ください。

北原白秋生家・北原白秋記念館（柳川市立歴史民俗資料館）

福岡県柳川市沖端55-1　TEL：0944-72-6773（北原白秋生家記念財団）
開館時間：午前9時～午後5時
休館日：年末年始のみ（12月30日～1月1日）
入館料(資料館、白秋生家共通)：大人500円、学生(高・大学生)450円
　　　　　　　　　　　　　　　小人(小・中学生)250円
駐車場：記念館裏に駐車場（1時間無料）がございます。

※上記以外の情報については、公開出来ません。