百年名家~築100年の家を訪ねる旅~
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超絶技巧の館 「遠山邸」(前編)
~"戦前最高水準"の近代和風建築~
今回は、戦前の日本建築の"最高水準"と評される「遠山邸」を訪ねます。施主は日興證券の創立者、遠山元一。埼玉県比企郡の豪農の家に生まれましたが、幼少時代に遠山家は没落。一家は裸同然で生家を追われます。その後元一は、丁稚奉公からから苦労して身を立て、やがて証券会社を立ち上げるほどになりました。やがて元一は生家の土地を買い戻し、苦労した母親のために豪邸を築きます。建設にあたり、当時考え得る最高の職人と高価な銘木を日本全国から集めました。建設に費やした歳月は2年7ヶ月。工事に携わった職人は延べ3万5千人。建物は、長屋門と土蔵、渡り廊下でつながる東棟・中棟・西棟からなり、総建坪は400坪、敷地面積は約2,800坪という壮大な邸宅を築き上げたのです。今回「前編」として取り上げるのは、関東豪農風の東棟、近代和風を加味した書院造りの中棟、裏千家亀山宗月の設計した離れ茶室。屋敷内には「珠杢欅」などの高級材や、卓越した匠の技が満載で、まさに"戦前最高水準"と評されるにふさわしい建物です。中でも大広間の「七宝花菱」の透かし彫り欄間や、茶室の「墨差し天王寺」の壁など、再現不可能と言われる職人たちの超絶技巧は必見!
取材先情報
遠山記念館(遠山邸)
埼玉県比企郡川島町白井沼675 TEL:049-297-0007
開館時刻:10時から16時30分(入館は16時まで)
休館日:
月曜日(祝祭日の場合は開館、翌日休館)
年末年始 12月21日~1月8日
※美術館のみ休館日 (邸宅・庭園はご覧になれます)
2014年9月9日~9月12日、10月28日~10月31日
※遠山邸中棟2階の秋の公開日
2014年9月28日, 10月11日, 11月8日
茶室は非公開です。貸席としてご利用できます。
※上記以外の情報については、公開出来ません。