百年名家~築100年の家を訪ねる旅~
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神輿と塩の町家ロマン
~宮大工の心が繋ぐ 千葉・市川~
今回の百年名家は、千葉県市川市を訪ねます。江戸時代には江戸川の舟運を生かした塩づくりで栄え、行徳街道は大いに賑わいました。現在でも街道沿いに残された町家にその面影を見ることができます。最初に訪れたのは、「旧浅子神輿店」。神社仏閣の多い市川は、神輿作りも盛んに行われました。この店の創業は何と室町時代。500年間神輿を造っていた家らしく、寺社建築に近い趣の家でした。すぐ近くには、塩問屋の豪商だった「加藤家住宅」があります。最大の特徴は、贅を尽くした瀟洒な建具。また8畳の応接間には、豪華な折り上げ格天井やケヤキの一枚板で設えられた板壁など、豪商の証がふんだんに見て取れます。年々姿を消す町家の中で、伝統的外観をそのまま残してリフォームした家がありました。明治初期に建てられた「田中邸」です。かつて戸長役場だった歴史を今に残すため、一階部分は殆ど以前のまま。現代的にリフォームしたのは屋根裏部屋。二世代で暮らすための賢い選択に出会います。市川はかつて東京の豪商の別荘地でもありました。「いちかわ西洋館倶楽部」は唯一残された貴重な別荘時代の遺構。保存のために当主が考え出したのは、コンサートホールとしての活用でした。
取材先情報
いちかわ西洋館倶楽部
千葉県市川市新田5-6-21 TEL:047-322-2012
※ギャラリー、コンサート等にご利用できます。お問い合わせ下さい。
※見学のみは対応していません。
※上記以外の情報については、公開出来ません。