映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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四十七候「虫かくれて戸をふさぐ」(むしかくれて とをふさぐ)

二十四節気の暦は秋分!

「虫かくれて戸をふさぐ(むしかくれて とをふさぐ)」
外で活動していた虫たちが、寒さの到来を察知し、土の中に潜っていく頃を表した候です。今回の候は、赤とんぼ、秋刀魚、鶉(うずら)、栗、二本松の提灯祭りなど、この季節の話題を楽しくお送りします。

秋の夕暮れ時に「赤とんぼ」が飛び回る光景は、いかにも秋らしい風情がありますね。ちなみに、赤とんぼの赤色は、気温と関係があるといわれ、寒い地域の赤とんぼほど、赤色が濃いそうです。また「とんぼ」という名前由来は、とんぼが空を「飛ぶ棒」に見立てられ、「とんばう」と呼ばれていた事から、それが転じて「とんぼ」となったそうです。

漢字の秋が入った魚。「秋刀魚」です。秋の味覚を代表する魚として知られ、この時期の秋刀魚は、身が大きく脂も乗っている為、大変美味しくなります。秋刀魚という名前は、「細長い魚」を意味する「狭真魚(さまな)」が転じたとされています。そして、秋によく獲れ、刀のような細長い体をしている所から、この「秋刀魚」という漢字が当てられたそうです。

「鶉(うずら)」はこの時期、越冬の為に中国やモンゴルなどから日本にやって来ます。体長は20センチほどで、他の鳥よりも体が丸々としており、体の全体が赤褐色に包まれています。スーパー等で、うずらの小さな卵はよく見かけますが、なかなか鳥自体を見かける事は少ないですよね。鶉という名前は、体がずんぐりしている事から、「蹲る(うずくまる)」や「埋る(うずる)」が転じたものと言われています。

秋の味覚「栗」です。栗という名前は、栗の皮が黒い事から、「くろ」が転じたものだそうです。また、栗という漢字は、実が落ちて、木の上にいがだけが残されている様子を表現したものと言われています。栗の産地として有名なのが、京都の丹波地方ですね。平安時代から栽培が行われてきたそうです。その後、朝廷や幕府に献上されるほどに有名になっていったそうです。現在でも、丹波栗は非常に高価で、実も大きく、品質も大変に優れているといわれています。

福島県二本松市では、毎年10月4日から6日にかけて、「二本松の提灯祭り」が行われます。秋田竿燈まつり、尾張津島天王祭と並ぶ、日本三大提灯祭りの一つとしても知られ、360年以上の歴史を誇っています。祭り一番の見所は、宵祭り。各町内から3000もの提灯をつけた7台の「太鼓台」とよばれる山車が繰り出し、威勢の良いかけ声とお囃子と共に、夜空を赤々と照らしながら、市内を勇壮に練り歩きます。