ワイルドネイチャー いきもの大紀行

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BBCスペシャル
スパイカメラが見た!野生のトラ一家に密着

インドに生息するベンガルトラ。森の奥深くに住む彼らの姿をとらえるのは、非常に難しいことです。そんなトラたちに密着するため、そばにいても警戒しすることのないゾウが、カメラマンを担当。さらに、木の幹や岩などにカモフラージュするなど様々な工夫を凝らした特殊な撮影方法で、4頭の子供がいる野生のトラ一家の自然な姿を至近距離から収めていきます。生後10日からの珍しい子育ての様子や、狩りのやり方を覚え、巣立つまでの生態に迫ります。


中央インドに位置するペンチ・トラ保護区。保護区で生後10日の子供4頭を連れた母親のベンガルトラを見つけた撮影班は、ゾウが鼻(トランク)に持って運び、設置することもできる「トランクカム」やより小型でゾウの牙(タスク)に装着する「タスクカム」。そして木の幹や岩のような外観で近くに動物の動きがあると作動する「ログカム」という様々なカメラを駆使し、今まで明かされなかったトラの自然な姿や子供の成長を追います。
子供のトラにとって、ジャングルは多くの危険が潜んでいる場所。4頭すべてが大人になるまで生き延びるのは、非常にまれなことです。子供のトラが生後10ヵ月の頃には、4頭の元気な姿が確認できました。母親に守られ、すくすくと成長しています。そんなある日、縄張りに若いオスがやってきました。ケガをした父親は姿を隠し、母親も重傷を負って動けません。そんな中、子供たちだけで侵入者に襲われないように逃げ切ることができるのでしょうか。
生後20ヵ月になると、4頭は行動を別にすることが多くなります。別れの時が近づいているようです。しかし、自立するためには、自らの力で獲物を捕まえられるようにならなければなりません。カメラは、子供たちが何度も狩りに失敗する様子を収めていました。しかし、ついに一頭が子ジカを仕留めることに成功。4頭とも、それぞれに狩りの腕を上げていきます。
子供たちが2歳になる頃、撮影班はジャングルへ入ります。すると驚いたことに全員が保護区の中に縄張りを持っていました。獲物が豊富で農民や密漁者に狙われる危険が少ないため、4頭とも奇跡的に生き延びることができていたのです。
さらに撮影終盤、「ログカム」がうれしい映像を収めていました。それは新しい命である4頭の小さなトラ。そしてここからまた、新たな成長の物語が始まるのです…。