ワイルドネイチャー いきもの大紀行
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ゾウガメ・イグアナ・赤道ペンギン…
〝ダーウィンの島〟で進化の奇跡を見た!
今回取り上げるのは太平洋上に浮かぶ生物たちの楽園・ガラパゴス諸島。絶界の孤島で独自の進化を遂げたゾウガメ、イグアナ等、ユニークな固有種たちは生物学者チャールズ・ダーウィンが発表した「種の起源」に大きな影響を及ぼしたと言われています。
今回は冒険家として活躍する三浦豪太がガラパゴス諸島を巡り、知られざる生態、進化の謎に迫ります。めったに見る事の出来ない貴重な映像の数々。2回に渡ってお届けします!
1.固有種の宝庫・ガラパゴス諸島
過去に一度も陸続きになったことのないガラパゴス諸島。他の動物による影響を受けることがなく、独自の生態系を構築してきた。そのため、ガラパゴス諸島には、ここにしか生息しない多くの固有種が生息している。中でも、地球最大のリクガメ・ガラパゴスゾウガメ、地球上でここにしか生息していないウミイグアナ、赤道直下に生息する唯一のガラパゴスペンギンなど、珍しい固有種たちの姿をたっぷりと紹介する。
2.動物たちの不思議な生態
世界遺産・ガラパゴス諸島の固有種たちが見せる興味深い生態。空を飛ぶことができない海鳥・ガラパゴスコバネウ、自分で餌をとらずに、他の海鳥から餌を横取りするガラパゴスグンカンドリ、かわいらしい求愛ダンスを見せてくれるアオアシカツオドリ、また、めったに見ることができないという、数百羽のアオアシカツオドリが餌を求めて一斉に海に飛び込むシーンの撮影に成功!
3.海底火山が隆起してできた島
ガラパゴス諸島は300~500万年前に、火山活動でできた島。ことし5月に、ガラパゴス諸島の島の一つ、イザベラ島のウォルフ火山が噴火するなど、今なお活発に活動している。そんな火山島ならではの絶景を紹介。飼育していた牛が落下したことにより、たまたま発見されたという全長400メートルの溶岩洞窟などを探検する。
4.自然環境の変化に対応・進化した動物たち
名前の付いた島だけで、大小合わせて123島あるガラパゴス諸島。各島で見られる生物たちの、島それぞれの個体差を見ることができる。その違いの大きな理由が、生存環境によるもの。草木が豊富に生えている島に生息するリクガメの甲羅はドーム型なのに対し、草木が少なく、枝についた葉を食べるしかない島のリクガメの甲羅は、首を上に伸ばせるようにくら型へと進化。そして、赤道直下に生息する唯一のペンギン・ガラパゴスペンギンは、体力をできるだけ消耗しないよう小型化。また、大陸から、流木などにより流れ着いたとされるイグアナは、溶岩だらけの大地から餌をとることを諦め、海中の藻を食べるようになり、ウミイグアナへと進化した。このようにダーウィンの進化論に大きな影響を与えた、ガラパゴス諸島の動物たちの、進化の秘密に迫る。
出演者:三浦豪太さんのコメント
ガラパゴス諸島は驚きの連続であった。海の中を潜るイグアナ、人よりも大きなゾウガメ、赤道近くにいるペンギン、人懐っこいアシカ、そこには生命の楽園とも言える姿があった。
しかし、取材を進めているうちにガラパゴス諸島の現在が見えて来た。火山岩から出来ている島々は雨をしみ込ませてしまい、生命に必要な真水に乏しい。
そして生態系の底辺を支える植生もけっして豊かではない。
そのためガラパゴス諸島はエルニーニョやラニーニョ等、急激な自然変化がある度にいくつかの固有種の存続に危機が訪れている。また過去にはゾウガメの乱獲、外来種の持ち込み、人による生態系への影響も大きかった。
現在ではガラパゴスの生態系を存続するため、世界中の研究者が集まるダーウィン研究所と国立公園の連携、そして次世代の取り組みが注目されている。
楽園に見えるガラパゴス諸島には、過酷な大自然にさらされながら現在でも進化を続けている生き物達の姿があった。