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【2010年4月6日】OK GO

ダミアン、ティムの2人が中心となり1999年にシカゴで結成された4人組パワー・ポップ・ロック・バンド。ニューウェイヴを土台にしたポップ・センスは抜群で、注目した米キャピトルが契約。セルフ・タイトルの1stアルバム『OK GO』を2002年にリリース。全米ヒートシーカーズ・チャート1位というデビューを切り、ビデオもこだわって作っている彼ら、1stシングル「ア・ミリオン・ウェイズ」がYouTubeビデオ・アウォーズや2007年度グラミー賞最優秀短編ミュージック・ビデオ部門に輝いた。1876年に発行された"青い光は病気を治す"という本からタイトルがつけられた3rdアルバム『OF THE BLUE COLOUR OF THE SKY』をリリースした彼らがベストヒットに登場!

「This Too Shall Pass」

今回紹介するのは3rdアルバム『OF THE BLUE COLOUR OF THE SKY』(1/13発売)から「This Too Shall Pass」。ビデオはスタート地点のドミノを倒したのをきっかけに、大掛かりな"ピタゴラ装置"劇が繰り広げられる。


インタビュー

Q:例えばシングル「This Too Shall Pass」のビデオは2バージョンあってすごく面白いビデオですが、一つ目のバージョンについてうかがいます。なぜああいった映像になったんですか?

D:「ノートルダム・マーチング・バンドはどこで観たんだっけ?」
T:「ノートルダム・マーチング・バンドが僕たちの「Here It Goes Again」をフットボールの試合のハーフタイムでやっているのをYouTubeで観たんだ。それがすごくクールだったから彼らに連絡を取って、いずれなにか一緒にやらないかって持ちかけたんだ。それで「This Too Shall Pass」でやることになったのさ。」
D:「400人もの人がフィールドで「Here It Goes Again」をやっていたんだ。それを観たときぶっ飛んだよ。なんたって400人が同じ振り付けで踊っているんだからね。でもあれはまさに僕たちの発想に近いものだった。それで彼らに一緒にやらないかってオファーしたんだけど、実際にどういう風にやるかが決まるまで数ヶ月かかったんだ。というのも400人が踊って演奏できるなんて滅多にないことだからね。通常のビデオではスタジオでレコーディングされた曲に合わせてセットで踊るだけなんだけど、彼らの一番の魅力は演奏がしっかりしていることだったから、ビデオでもライヴ演奏してもらうことにしたんだ。つまりビデオで流れている音楽はアルバム・バージョンではなく、実際にビデオのためにライヴ演奏しているものなんだよ。」

Q:1カメで撮っているんですよね?

D:「そう」

Q:過去にもそういう撮り方をした作品がありますが、1カメ撮りが好きなんですか?

D:「別に決まりがあるわけじゃないんだけど、基本的にはフィルムメイカーの作品ではなく、僕たち自身がバンドとしてやっているものにしたいんだよね。それを一番わかりやすく表現するためには1テイクで撮るのが一番なんだ。」

Q:ビデオのアイディアは自分たちで考えているんですか?

D:「アイディアもディレクションも基本的には自分たちでやっているよ。友だちに手伝ってもらうときもあるけどね。15年前はビデオをオンエアしてもらえるミュージック・チャンネルは、少なくてもアメリカでは1つしかなかったから、そのチャンネルが年間扱う50?100本のビデオに選ばれないとダメだった。だから競争率はすごく激しかった上、最終的にはそのチャンネルにコマーシャルを打っている企業が選考していたから、彼らが望んでいるものを作らなければならなかったんだよ。でも今ではインターネットにアップして誰もが観れる時代になったから、昔のようにガチガチに決められた"いいビデオ"の定義にはまらなくても良くなった。もっと言えば、15?20年前のビデオはレコードを買ってもらうためのバンドの宣伝ツールの一つだった。でも今ではそういう概念がなくなり、僕たちは宣伝効果より自分たちのクリエイティヴィティを表現するツールとして、楽曲やコンサートと同じように捉えているんだ。だから人任せにするのではなく、自分たちでアイディアを出し、監督することに意義があるんだよ。」