時をかける浮世絵師~歌川国芳・江戸にスカイツリーを描いた男~
番組概要
それは美術史上もっとも「奇妙」な事件。
物語の発端は今から180年前に描かれた一枚の絵。
その絵には「ありえないもの」が描かれていた・・・
「東都三つ又の図」
2011年現在、「東都三ツ股の図」に描かれているのと同じ場所に立ってみると、まさに同じ光景が目に飛び込んでくる。 まるで未来を予見していたようなこの絵を描いたのは、いったい何者なのだろうか。 |
庶民文化が開花した江戸時代後期に登場し、「江戸に国芳あり」と称えられた天才浮世絵師・歌川国芳(うたがわくによし)(1798~1861)。
20世紀後半、海外で彼の存在がクローズアップされ、再評価が始まると、驚くべき画業が明らかになり、人々は国芳をこう呼んだ。 “奇想の絵師”―。 国芳は、春画、美人画、役者絵、風景画、武者絵、風刺絵など、あらゆるジャンルで活躍し、膨大な数の作品を残している。 また、国芳の絵は「謎めいたメッセージ」が読み取れることでも話題だ。やがて牙をむく自然の脅威を知っていたのか、まるで化け物のように描かれた風景画は目を引く。
国芳の謎に挑むのは、俳優・山本耕史。
国芳が生きた時代は、飢饉(ききん)や地震が相次ぐ激動の世。それは、21世紀の日本と奇妙に符号する。閉塞(へいそく)した時代を、反骨精神と奇抜なアイデアで縦横無尽に駆け抜けた国芳の浮世絵は、江戸の庶民に勇気と笑いを与えた。
協力:没後150年 歌川国芳展 |
ナビゲーター
山本耕史/やまもと こうじ
1976年10月31日東京都生まれ。さそり座・B 型。 |