悠久への旅 とっておきの京都
放送内容
町家で味わう夏の風情
毎年、ひときわ暑い夏が訪れることでも知られる京都。この季節を涼しく過ごす工夫が受け継がれてきたのが、伝統ある住まい「町家」。大正時代に建てられたという町家「紫織庵(しおりあん)」の館主、川﨑栄一郎さんと共に、涼を感じられるさまざまな場所を訪ねます。
紫織庵では、美しい屏風と、夏のしつらえ、さらに祇園祭の山鉾(やまほこ)を見るために作られた特別な場所へ拝見します。
竹製品のお店には、涼し気な素材を活かした雑貨が並び、工房では、実際にその製作工程を見学。
また、町家を利用した趣ある甘味処にあるのが、この時期限定の涼しさを感じるメニュー。さらに現在も暮らしが営まれている町家を訪ね、夏を過ごす昔ながらの工夫を見せて頂きます。
京都の夏の風物詩といえば「祇園祭」。琴の修理を行うの老舗のご主人と川﨑さんは、祇園祭の山鉾(やまほこ)「八幡山(はちまんやま)」を守る町内の仲間。山鉾の納められた蔵の中を特別に見せて頂きます。
そして、川﨑さんが夏を感じるという、歴史ある神社を訪れます。
祇園祭の伝統を受け継いできた町家の主と共に、夏の風情を味わいます。
山々に囲まれた、その地形から、ひときわ暑さがきびしいことでも知られる京都。この地では、古くから夏を涼しく過ごす工夫が取り入れられ、受け継がれてきました。街の中でよく見かける町家も、そんな夏を涼しく過ごす工夫がたくさん見られる場所の一つ。大正時代に建てられた町家「紫織庵(しおりあん)」の館主、川﨑栄一郎さんと共に、涼を感じられるさまざまな場所を訪ねます。
紫織庵は、この街に受け継がれる長襦袢(ながじゅばん)や友禅染を展示する美術館として、一般の方でも見学できる町家。その中には、歴史を感じる屏風(びょうぶ)が飾られていいます。毎年7月、祇園祭の時期に京の町家を中心に行われる屏風祭。夏の風景を描いた美しい屏風がありました。そして町家ならではの夏のしつらえとは? さらに祇園祭の山鉾(やまほこ)を見るためだけに作られた特別な場所へ案内して頂き、季節の風情を味わいます。
竹製品のお店「TAKENOKO」には、涼し気な素材の良さを生かした雑貨が並びます。紫織庵でもこの店の品を使っているのだとか。そんな品々を作っているのがすぐ近くにある「横山竹材店」。創業から90年以上、茶室や茶道具、庭園の竹垣などを手がける老舗。実際に、製作の工程を見せて頂きます。
川﨑さんがこの季節によく訪ねるという「大極殿本舗(だいごくでんほんぽ) 六角店 栖園(せいえん)」は、創業130年の歴史を持つ甘味処。町家を改装した趣ある店舗で、この時期限定の涼しさを感じるメニューを頂きます。
紫織庵の近くには、現在も暮らしが営まれている町家も残ります。そこで、夏を過ごす昔ながらの工夫を見せて頂きます。
同じく紫織庵の近くにある「琴伝」は江戸時代から続く琴修理の老舗。夜になるとダイニングバーになるというユニークなこのお店で、琴の音色に耳を澄まします。そんなこの店のご主人と川﨑さんは、八幡山(はちまんやま)という祇園祭の山鉾を守る同じ町内の仲間。八幡山の納められた蔵の中を特別に見せて頂くことに。代々守り継がれてきた伝統ある山鉾を見ながら、その長い歴史に思いをはせます。
京都でも最も古い神社の一つ「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」通称、「下鴨神社」は、川﨑さんが夏になると訪れたい場所。水の流れを感じながら「糺の森(ただすのもり)」を歩けば、やがて趣深い本殿、そして御手洗池(みたらしいけ)へとたどり着きます。ここで毎年7月に行われるのが「みたらし祭」。清らかな御手洗池に足を浸して身を清め、無病息災を祈るという昔ながらのお祭りなのです。
祇園祭の伝統を受け継いできた町家の主と共に、古都で感じる夏の風情をめぐります。