
1945年8月、焼け野原の東京で外国人記者がこぞって追いかけた“ニッポンジン” がいた。
エンペラー・ヒロヒト、トージョー・ヒデキ、そして・謎の女性DJ「東京ローズ」。
―戦後65年の時を経た今、知られざる「東京ローズ」の悲劇が明らかになる!
【ナレーション】加藤あい(女優)
ハリウッド映画「父親たちの星条旗」(2006年)に米軍兵士たちが短波ラジオに熱中するシーンが登場する。米兵たちが聞いていたのは、敵の戦意を喪失させるため、日本軍が流した対敵宣伝放送。意外にも美しい声で語りかける女性ディスクジョッキーは米兵たちに熱狂的に支持され、いつしか「東京ローズ」と呼ばれるようになる。
終戦後、「東京ローズ」の正体探しを始める外国人記者達。そこで浮上したのがロサンゼルス生まれの日系2世・アイバ戸栗郁子(とぐりいくこ)29歳だった。アメリカ人であるアイバは、1941年、叔母を見舞うため、両親の祖国である日本に初めて渡ってきた。しかしその直後、太平洋戦争が勃発。帰国の機会を失い、滞在費捻出のため職を得たラジオ東京(現NHK)で、ディスクジョッキーに抜擢されていた。
報道によって、アイバは一躍時の人に。しかしそれは悲劇の始まりだった。アメリカ人でありながら、敵国・日本に加担したとして、アイバは逮捕され、サンフランシスコで「東京ローズ裁判」にかけられる。アイバは「自分は米兵の戦意喪失を図るような放送はしていない」と主張したものの、結局、女性としては史上初となる「国家反逆罪」で禁固10年・アメリカ国籍剥奪の有罪判決を受け、刑務所に服役することとなる。しかし・・・・・
番組は、500ページに渡る当時のFBIの極秘ファイルを入手。これにより
「アイバの有罪はアメリカ政府の捏造によって仕組まれたものだったのではないか」そして
「本当の東京ローズは6人いたのではないか」と疑念を抱く。
なぜアメリカ政府はアイバ戸栗を陥れたのか?日米両国で徹底取材。黒幕の正体と驚くべき理由にたどり着く!