日生劇場
(8月14日(木))
今回、訪れたのは日比谷公園からほど近い日生劇場。戦後日本を代表する建築家・村野藤吾の設計により、1963年に完成。古典主義時代の洋風建築をイメージさせる石造りの外装、真紅の絨毯が敷き詰められたホワイエ、海底神殿のような雰囲気のホールなど、当時流行していたモダン建築とは一風変わったスタイルのデザインが数多く散りばめられた建物。
- 日生劇場東京都千代田区有楽町1-1-1
03-3503-3111
- 外観
中世のヨーロッパ建築を思わせる石の外観。全ての窓には、古代ギリシアの神殿のような柱を装飾。外装に使用されているのは薄紅色をした花崗岩。エントランスへのアプローチ部分には、白と黒の大理石を巧みに使い分け、動植物をモチーフにしたモザイク画をデザイン。
- ピロティ
クラシックなギリシア風建築スタイルと、近未来的なデザインが混在するピロティ。直線的な幾何学模様が施されたメタリックな飾り天井はアルミ板を使用。磨りガラスが柔らかな輝きを作り出す。
- ら旋階段
客席へと続く、赤い絨毯が敷き詰められた階段。“階段の名手”と呼ばれた、村野藤吾の技術が伺い知れる、大胆ながらも計算しつくされたデザイン。階段を支える柱には、岩手県盛岡市の南部鉄を使用。
- 劇場
1330の客席数を誇る劇場。直線的なピロティとは対照に、なだらかな曲線を多用したデザインで構成されている。天井のくぼみに設置されたトップライトが幻想的な雰囲気を醸し出す。2万枚ものアコヤガイの貝殻を貼り巡らせた天井。職人の手作業により完成した、海底神殿を思わせる空間。