目黒区総合庁舎
(1月10日(木)・24日(木))
今回訪ねたのは、駒沢通りに位置する目黒区総合庁舎。1966年に完成した旧千代田生命本社ビルを、2003年に目黒区が買い取り、改修。区役所が入った公共の施設ながら、文化的価値の高いモダン建築としても親しまれている。設計を手がけたのは、日本現代建築の巨頭・村野藤吾。「鉛筆を握りながらこの世を去った」という逸話がある、生涯現役を貫き通した村野が残した傑作。 モダニズムと日本の侘びが共存する建物を堪能。
- 目黒区総合庁舎 東京都目黒区上目黒2-19-15
- 南口の飛行機屋根
飛行機の尾翼のような玄関部分。
その雄大な姿から、“飛行機屋根”と呼ばれるアルミの庇。全ての角は、丸みを帯びてデザインされている。
“千代田生命本社ビル”の時代は車寄せとして使われていた。 - 天窓
玄関棟に設けられたドーム型の天窓。
2つで一組になった8つの窓は、蛍光灯でライトアップ。
暖色から寒色へと微妙に変わりゆく色合いが、四季のうつろいを表現している。 - ら旋階段
ステンレス製の優美な階段。
村野藤吾は 階段作りの名手だった。
ゆるやかに湾曲したステンレスの手すりは、フリーハンドでデザイン。 - しじゅうからの間
モダンな空間で異彩を放つ和室。
和風建築も得意とした、巨匠・村野藤吾。
竹林をイメージしてデザインされた障子籐(とう)の天井など、細部まで、村野藤吾自らデザイン。障子を開けると、そこには村野本人が選んだ植え込みをほどこした池も。四季折々の草花を、今でも楽しむことができる。