特等展望!ヨーロッパ鉄道紀行

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放送内容

ドイツ:モーゼル川をめぐる旅

今回は、ドイツ西部に位置し、ローマ帝国第二の都市と呼ばれたトリーアから、モーゼル川とライン川が合流する都市コブレンツへと向かいます。
ドイツでも最古の都市と謳われるトリーア。街のなかには、ローマ帝国時代の栄華を偲ばせる数々の遺跡があります。紀元190年に建造された城壁の一部「ポルタ・ニグラ」は、街の入り口にそびえるトリーアの象徴です。また、ローマ時代の生活に欠かせなかった皇帝浴場も、世界遺産に登録されています。
それでは、トリーア中央駅からモーゼル川下流のコブレンツに向けて出発しましょう。この路線は、もともと軍事用の物資を運搬するために建設された長距離輸送用の路線の一部でした。時代は移り、今では一部二階建て車両が導入されるなど、多くの乗客を運ぶ路線になりました。
モーゼル川に沿って進んでいくと、ブライの町に到着します。ここでちょっと寄り道して、有名な「モーゼルワイン鉄道」に乗ってみましょう。1883年に開通したこの路線は、かつてワイン樽を運搬する手段として大きく活用されてきました。この地方のワインの歴史は古く、2000年前にローマ人がモーゼル川流域にブドウ栽培をもたらしたことが起源と言われています。いまではハイキングやサイクリングなどのアウトドアを楽しむ観光客を乗せる客車として人気を集めています。
ブライに戻り、再び旅は続きます。ワイン産地として名高いコッヘムを過ぎ、数多くのブドウ畑を通過していくと、旅の終着地コブレンツへ到着します。
この街でモーゼル川とライン川が合流します。古くから水上交通の要衝として繁栄してきたこの地域。その長い歴史と、モーゼル川の美しい景色をお楽しみください。