辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり
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二人のワガママをみんな詰め込んだ隅田川の見える家

央区明石町は、明治時代に外国人居留地が置かれていたところ。銀座や築地まで徒歩圏内のこの街には、隅田川の川縁に人々が憩い、穏やかな時間が流れています。
今回訪ねるTさんのお宅は、築35年のマンションの10階部分。ここにご主人と奥様のお二人でお住まいです。以前は都内の賃貸マンションで暮らしていましたが、そろそろ自分たちの家が欲しいと考えていたTさんご夫妻。購入にあたって、お二人にはそれぞれ具体的な希望がありました。ご主人は、「川が見える家」。奥様は、「夕日の見える家」。これらの条件に適う物件はなかなかありませんでしたが、やっと見つけたのがこのマンションでした。南側からはゆったりと流れる隅田川が、西側からは都心のビル群に沈んでゆく夕日を眺める事ができます。実は Tさんご夫妻、内装にも希望の条件がたっぷりとありました。そんなお二人が思い描いた夢の我が家を実現させた、とっておきのリモデルをご紹介します。
旅行好きのTさんご夫妻。世界各地で買いそろえた雑貨があちこちに飾られているT邸には、ふたりのワガママがあらゆるところに詰まっています。LDKは、丸の内の高層ビルがすぐそこに広がる、絶好のロケーションを楽しめるところに持ってきました。キッチンカウンターから、都心を赤く染める夕日を眺める事ができ、家事が楽しくなったと奥様は大満足です。またお二人の趣味である本や漫画を収納できるように、部屋の中央を仕切る壁は床から天井まで全て本棚にしました。
玄関から水回りを通ってクローゼットから寝室へと一直線に抜けることができる動線は、ご主人が帰宅した際に最も早く着替えが出来るように計算されたもの。玄関から寝室を見ると、それぞれの空間がアーチでつながり、水回りに使われた金色の水栓金具やテラコッタの床と相まって、オリエンタルな雰囲気が漂います。
隅田川を見下ろせる場所は、ご夫妻の寝室になりました。寝室からつながるバルコニーは、ご主人が川面を眺めながら物思いに耽る、大切な場所になっています。
詰め込めるだけ詰め込んだワガママも、アイデアとしてかたちに出来るのがリモデルの醍醐味。我が家で過ごすひとときが、Tさんご夫妻にとって、なにより安らぐ時間になったようです。

設計担当:ブルースタジオ
http://www.bluestudio.jp/

 
 
 
 

【平面図】

Before

After

Before After