辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり
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こだわりの英国スタイルを楽しむ家

今回辰巳琢郎が訪ねたのは、目黒区にある築25年のマンションに住むM邸。
桜並木の遊歩道沿いに建つこのマンションは世界的建築家フランク・ロイド・ライトの継承者であるアントニン・レイモンドの事務所が25年前に手がけたという風格のある建物です。
外資系企業で働くご主人の仕事上、Mさん一家はかつてロンドンで暮らしていました。
自分達が長年愛用しているアンティーク家具などを楽しみながら暮らしたいと、趣のある良質なマンションを探していた所、立地と広さが理想的だったこの家と出会い購入を決めました。
リモデル以前は居室が細かく分けられ迷路のように複雑な間取りで光が届かず昼間も薄暗い印象でした。
限られた予算の中で、建築家は思い切った発想の転換が必要と考え、床はカーペットを剥がしたままコンクリートスラブに。
一方、「既存の建具や建材は極力残したい」というMさんの希望をもとに既存のクローゼットの扉は玄関のシュ-ズクロークに転用しました。
また、部屋ごとに、壁の一部に赤や黄緑などのアクセントカラーをつけて個性を出しました。
バスルームは壁を取り払い3in1スタイルに変更し、まるで海外のホテルのように広々とセンス良く仕上がりました。
以前南側にあったリビングはルーフテラスがある北側に移動し、二方向からの光が一日中注ぐ明るい空間に生まれ変わりました。
また廊下に面する書斎の壁とドアを一面の大きなガラスにして採光をよくしました。
気に入った既存の部材は生かし、そこに新たなアイデアを加えることで、コストダウンになるだけではなくMさんの理想である「英国スタイルを楽しむ趣のある上質な空間」ができ上がりました。

安井雅裕建築研究所
http://www.y-kenchiku.com/