建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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旧手宮鉄道施設

北海道最初の鉄道「幌内鉄道」は、アメリカ人技師ジョセフ・U・クロフォードの指揮の下、明治13年(1880)に、手宮と札幌間に敷設された。本格的鉄道としては、新橋-横浜、神戸-大阪に続くもので、石狩・空知地方の石炭積み出し、開拓に必要な生活物資、生産資材などの道内への輸送を担った。開拓の基盤施設として北海道で最初に建設された幌内鉄道により、小樽は確固たる流通港湾都市に変貌した。旧手宮鉄道施設はその幌内鉄道の起点であり、施設内には明治13年(1885)竣工した、現存する日本最古の機関車庫三号が残る。レンガ造(フランス積)1階建、扇形で3室並び、前面の転車台から機関車が出入りした。その他、明治41年(1908)竣工の機関車庫一号や付帯施設として危険品倉庫、貯水槽、転車台、擁壁などがあり、鉄道施設の構成、機能、技術的発展を考える上で重要である。