建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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旧福岡県公会堂貴賓館

第13回九州沖縄八県連合共催会(産業振興を図るための八県共同の博覧会)の開催に際し、来賓接待所として建築された。木造2階建。設計は太宰府天満宮楼門、福岡県立図書館などを手がけた福岡県土木部技師・三条栄三郎。フレンチルネサンス様式で、張り出した正面玄関ポーチにイオニア式円柱、正面屋根にはドーム型の屋根、東隅に八角塔を配した。1階外壁はモルタルに目地を入れ窓下に白い化粧タイルを貼り、2階は窓額縁や軒をモルタルで造出し、外観を石造りに見せている。内部は玄関奥に階段室をとり、その左右に食堂、応接室、事務室を配し、2階に貴賓室、寝室、談話室などを設けた。主要な部屋の床は板張りで、壁は白漆喰腰壁張り、天井は各部屋毎に意匠の異なる幾何学模様となっている。共済会後は公会堂として利用され、戦後福岡県高等裁判所、県教育庁舎などに活用。平成17年(2005)福岡県西方地震で被災し、修復後、一般公開されている。