建物遺産～重要文化財を訪ねて～

旧日本生命保険株式会社 九州支店 [現・福岡市赤煉瓦文化館]

竣工以来、昭和４１年（1966）まで日本生命の社屋として使われた煉瓦造二階建、地下１階、中央部塔屋付の建物。設計は辰野片岡事務所。辰野金吾のパートナーであり直系の弟子である片岡安（やすし）は、日本生命初代副社長・片岡直温（なおはる）の女婿であったことから、大阪の日本生命本社社屋ほか複数の支店社屋を手がけた。外観は、赤煉瓦の壁面に御影石の白い横縞を通す「辰野式」。内部は、塔屋の基部をなす八角形の応接室、支店長室、営業カウンター、階段ホールなどがあり、鉄骨製階段は装飾豊。重要文化財の指定を受けた年に福岡市に譲渡され、福岡市立歴史資料館として活用され、平成６年（1994）からは「福岡市赤煉瓦文化館」として生まれ変わり、現在は貸し会議室、展示場として活用されている。