建物遺産~重要文化財を訪ねて~
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移情閣 [現・孫文記念館]
神戸を中心に活躍した華僑の呉錦堂(Wu Jintang)が、舞子ヶ浜にあった別荘の一部として増築した建物。八角3階建の塔状の建物で、総高約24m。木造軸組、外壁には鉄筋が入っていないコンクリートブロックを積み上げている。コンクリートは、呉自身が創設した東亜セメント社製。内部は各階とも床が板張り、壁面は下部を腰板張り上部を金唐革紙の壁紙張りし、天井は各階毎に変化がある。最初期のコンクリートブロックを用いた建築として、その構法や技術を伝える遺構として重要。呉と親交が深かった孫文はここを数回訪れており、これに因んで現在は孫文記念館として活用されている。