建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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泉布観

旧松本家住宅)

大阪に設置された新貨幣を鋳造する造幣局(旧造幣寮)の応接所。現在も創業当時の場所に存在する。明治5年に訪問、滞在された明治天皇により、「貨幣の館」を意味する「泉布観」と命名された。外周は白い花崗岩の列柱がベランダと共に建物全面を巡っており、ベランダ内部の壁は、煉瓦を積み漆喰で仕上げたもの(煉瓦造建築)。設計は、アイルランド出身の技師「T・J・ウォートルス(1842-1898)」。元治元年(1864)来日、明治元年(1868)に貨幣司に雇用され造幣寮の設計、建築から設備面に至る全体を監理した。明治4年工部省に移り、銀座煉瓦街を手がけた。明治初期に洋風技術の定着に大きく貢献した。(公開:1回程度)