建物遺産~重要文化財を訪ねて~

建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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番組概要

明治、大正、昭和初期・・・時をへてもその価値が生き続けている。
“歴史的文化財”に指定された近代建築の美しさを余すことなくご紹介します。

放送内容

【2017年11月24日(金)、2017年12月1日(金)】
中村家住宅 Ⅰ Ⅱ

中村家は、越前海岸沿いの狭隘な河野浦にある。江戸時代初期から廻船業に乗り出し、幕末から明治中期にかけて激増する北前船主の中で隆盛を得て、同じ河野の北前船主である右近家と並んで日本海五大船主に挙げられる有力商人になった。海に向かって2階建の主屋と望楼を持つ3階建で繊細な数寄屋意匠を駆使した新座敷(離れ)がある。中村家住宅は、充実した室と規模を有する主屋、趣向を凝らした3階建の新座敷など、近代的な形式や造形が導入された和風住宅として価値がある。

次回の放送予定

【2017年12月8日(金)、2017年12月15日(金)】
旧右近家住宅西洋館 Ⅰ Ⅱ

右近家は、幕末の9代目の時に最盛期を迎えた。その後明治半ばから急速に北前船は廃れていくのだが、経営の行き詰まりを察知した10代目が近代化(西洋型帆船、蒸気船の活用)を図り、かつ海上保険業に進出し、五大船主が中心となった「日本海上保険株式会社(現・損害保険ジャパン日本興亜)」の設立に関わり、第3代社長を務めた。建物は、眼下に日本海を望む絶景の高台に建てられた。大林組の設計・施工。鉄筋コンクリート2階建、切妻造の屋根に赤茶色のスペイン瓦を葺く。海に面してバルコニーを設けている。1階は太い梁を見せた洋間、2階は一転して10畳の和室を配した和洋折衷の別荘建築である。

日本管財株式会社