STYLE BOOK

マティーニ (12月15日(土)放送)

番組の85回目のテーマは「マティーニ」。
おいしいマティーニを知っていること。それは男のステータスでもある。
カクテルの王様、マティーニ。
材料も作り方もシンプルだ。見た目も決して華やかではない。
しかし、その1杯には奥深いストーリーを感じずにはいられない。

東京・銀座にある「毛利バー」。
マティーニを飲みたいがためにこの店に足を運ぶ客も多いという。
「グラスの中にピカソがいる」「液体の芸術」そう称賛され、毛利の名を冠して呼ばれることさえあるマティーニ。
その作り方にも独特のスタイルを持っている。
ジン、ベルモット、オレンジビター。特に変わったものを使うわけではない。
冷凍したジンから、通常の4~5倍、100回ものステアによって創り出されるマティーニ。名人と呼ばれる毛利でさえ、気を抜けないカクテル。マティーニの奥は深い。

バーテンダーにとって、マティーニは最大の見せ場。
その腕だけでなく、信条や哲学をいかに込められるかがそのバーテンダーの、延いては店の格にもつながる。

それは飲み手にとっても然り。
気分に合わせ、シチュエーションに合わせた、飲みたいマティーニ、好みのマティーニを知っているか否かが、その人がマティーニと過ごす時間の意義を大きく左右する。

そう、マティーニとは、誰にとっても一家言あってしかるべきカクテルなのだ。