STYLE BOOK

鎌倉 (12月1日(土)放送)

番組の83回目のテーマは「鎌倉」
今まで何度、この街を訪ねただろう。
名高い神社・仏閣も、季節が織り成す彩りももはや十分知っている。
しかし、この街が、住人だけに見せる素顔を僕らは知らない。
写真家・原田寛。
30年間この町を撮り続けてきた彼は、今から約10年前、カメラマンのセオリーを破りこの街に移り住んだ。そのセオリーとは・・・「被写体のある町には住まない」。
被写体を常に客観的に捉えるため、守るべきとされるその鉄則を、あえて無視した結果、今まで見えなかった普段着の鎌倉が見えてきたという。

風情ある路地裏も、彼らにとってはスーパーへの近道であり、ペットの散歩道であったりする。
そう、この街に生まれ、この街で暮らす人々にとって鎌倉は決して観光の街でも、歴史や文化の街でもない。
今を生きる街なのだ。
彼らにとっては観光客さえも、日常の風景。
そんな目線でこの街を捉えなおしたとき、鎌倉の素顔と本当の魅力が見えてくる。