STYLE BOOK

「時計の職人技」 (9月8日(土)放送)

番組の71回目のテーマは「時計の職人技」

『キャビノチェ』という名前をご存知だろうか。

18世紀のスイス。極小な部品を磨き、組み上げ、時計を作り上げていく時計師たちは照明施設が十分ではなかった当時、明かりを求めて屋根裏部屋にアトリエを多く構えていた。
『屋根裏部屋』を表す『キャビネット』。これが語源となり屋根裏部屋の住人である才能豊かな時計師たちの事を人々は敬意を込めて『キャビノチェ』と呼ぶようになった。

東京・茗荷谷「キャビノチェ・ギャラリー東京」。
そのキャビノチェの精神を胸に、今年の春にオープンした店。
ここで行われているのは「エングレイビング」。
エングレイビングとは時計のムーブメントや文字盤に施される彫刻。
もともとが小さい部品の集まりである時計に美しいエングレイブがひとりの彫刻師によって行われている。

日本屈指のエングレイバー「金川恵治」。
イラストレーターだった経験を生かし、全てを小刀で手彫りされていく彼の作品は海外でも高い評価を受けている。
その美しさは究極。

フランク・ミュラー、ピエール・クンツ、クロノスイス、ヴァルカンなど。
もともと海外高級腕時計メーカーが最高と信じて作ったはずの時計が、彼の手にかかると究極になるのだ。